2007-01-01から1年間の記事一覧

◆定礎

最近聞かなくなった言葉に「悪女の深情け」というのがある。悪女がいなくなったのか、そんなことはないね。ただ、ドロドロした情念とか、オドロオドロとした妖しさを持った女性が少なくなったのは事実だね。女性特有の押し付けがましさをソフィストケイトに…

◆カルメ焼き

何度やってもうまくいかなかったのが「カルメ焼き」だった。いわゆる駄菓子だったが、家で簡単に作れるという評判が広まり、道具一式を買い揃え、準備万端を整えて臨むのだが、砂糖の焦げるいい匂いを嗅ぐだけで終わってしまう。口悔しくて口悔しくて、縁日…

◆夏の風物詩

休日になると、窓の下をマイクで案内しながら車がゆっくり通り過ぎる。「開化伝を無料で引き取ります」って聞こえてくる。なんのことやらって思っていたが、「廃家電」といってるらしい。要するに昔でいう屑屋の一種なんだねえ。今じゃあ、ほとんど見かけな…

◆うつ

札幌にいる次男坊からにょうぼに電話があったそうだ。用足しが終わった後、「で、トーチャンはやっぱり北海道に来るのはいやだっていってるの?景色はきれいだし、花も満開。来ちゃえば、きっと感動して駆けずり回ると思うんだけどなあ。それからさ、トーチ…

◆ラオ屋

きのうの続きで、こんな話は自慢もできないが、もう時効だからいいだろう。生涯最長のキセルは東京―京都間を10円の入場券だけで乗車したことだろう。京都駅で待ち合わせた友人から京都駅の入場券を貰い、図々しく降り立ったものだった。当時、駅の外と内は…

◆キセル

金がなかった学生時代はずいぶんむちゃもやった。例えば、高校時代、彼女とデートする金もないから、学校の帰りに日暮里駅で待ち合わせ、カノジョの住む安孫子まで1時間ほどの行程を一緒するのだ。「行きはよいよい帰りは恐い」という喩えがあるけど、その…

◆県境

16日新潟中越地方で発生した大地震は、「2007年中越沖地震」と名付けられた。このように地震が頻発すると、地震名の前に年度を入れるという発想はとてもいい試みだと思う。現実問題として、前回の「能登沖地震」はまだ記憶に新しいとして、その前に起…

◆揺れる

ベランダでにょうぼは立って洗濯物を干しており、コチトラはかがんでゼラチャンの枯葉を取り除いていた。10時半ごろだったか、突然、軽いめまいを感じ、しばらくして再びめまいを覚えた。アッ!やばい、脳震盪をやっちまったなってとっさに思った。にょう…

◆ローライズ・パンツ

きのうの窓の下の続きとなるが、この辺りはかねてより都営団地のメッカだったが、点在していた倉庫跡地に民間のマンションが次々と建てられるようになった。4つの運河に囲まれた都営住宅とコリアタウンって、地味なイメージが強かった町がなんとなく華やい…

◆次男坊

不透明な事務所費用問題で逃げ回る赤城農水相とそれをかばい続ける安倍首相。2人の共通点は、兄貴が政治に興味を示さず、先代の地盤というおこぼれをちゃっかり受け継いだ「二男」ということだ。「原爆しょうがない」発言で止めた久間前防衛相も二男だった…

◆ゼロ地帯

江東区枝川に移ってきてから10数年になる。それまで都内近郊に住んでいたから、川向うに住むなんてことは夢にも思わなかった。こちらを鬼門と思っていたのは、いくら護岸工事が進んでいるとはいえ、戦後、キテイ台風やジェーン台風など大型台風が襲来する…

◆台風4号

梅雨前線が日本上空に停滞しているのに、大型の台風4号が日本に近づいてきた。この台風は沖縄方面を目指して北上し、沖縄辺りで進路を変え、日本列島に沿って九州南部へ上陸しようとしている。天気図を見ていると、台風はまず沖縄本島を襲い、順次、与論島…

◆コメンテーター

いつの頃からか、テレビの司会者がキャスター、解説者がコメンテーターと呼ばれるようになった。ハイカラな名前になった代わりに、鋭い舌峰がどういうわけか影を潜めるようになり、とりわけ、コメンテーターはいないよりましかっていう程度の影の薄い存在に…

◆ずれ

NHKにはめずらしいナンパな番組「サラリーマン・ネオ」が人気らしい。第1クールは終了してしまったが、アンコールの声が多くて、第2クールが再登場した。NHKの番組とはとても思えない、あまりの奇抜さにドギモを抜かれたものだったが、第2クールは…

◆がんばり隊

「どうせ拾った恋だもの」って唄があったけど、ツキで助かった命を大事にしなきゃいけない。って思いつつも、最近の体力の衰えは如何ともしがたいね。アンチエイジングなんて、シャレタ言葉がはやっているけど、そのターゲットは2007問題としてクローズ…

◆スピーカー

「コンサートホールで、勝負してみました。872席対1424席、惜敗です」。「国内最大規模の総客数を誇る、東急文化村オーチャードホールで、アコーステック・ウエーブを鳴らしてみました。1階席は1424席、そのうち前872席までは、立派に音が行…

◆クールビズ

クール・ビズは、夏の間環境省が指導する環境対策などを目的とした衣服の軽装化キャンペーン、または、その方向にそった軽装をいい、小泉政権下の2005年に始められた。「涼しい」や「格好いい」という意味のクールと、仕事や職業の意味を表す「ビジネス」の…

◆ハマの名伯楽

大リーグ・レッドソックスの松坂は3日(日本時間4日)、地元ボストンでの対デビルレイズ戦で先発登板し、8回を無失点に抑え、9奪三振、被安打4と好投し、10勝目を挙げた。日本人投手でメジャー1年目での2けた勝利は、95年の野茂(ドジャース)、…

◆窓の下

鬱陶しい梅雨空が続いていて、出かけるのが億劫になる。こんな状態を「卯の花腐し」(うのはなくだし)っていうらしいが、「こじ腐し」とか「こじ殺し」とか言い換えたくなる心境だね。先日痛めた腰が微妙に疼くのを理由にして、ここしばらくは出かけもせず…

◆ウインブルドン

梅雨も鬱陶しいが、最近のNHK深夜番組の鬱陶しさといったらないね。ウインブルドンでの全英オープンをなんと、NHK総合、BS-1、BS−hiの3チャンネルを放映しているのだ。この時間帯、民放はほとんど見ないから、夜更かし族としては、必然的に見…

◆窓の外

見るからに不吉を思わせる月が南の空から顔を出している。にぶい渋柿色がうすぼんやりと、不気味さを漂わせている。まるで、「あなた達の地球は、かっての鮮やかなマリンブルーがすっかり姿を消してしまい、このような渋柿色をしているよ」って、地球に警告…

◆大国ニッポン

モスクワで29日に開かれた第13回チャイコフスキー国際コンクールのバイオリン部門本選会で、日本の神尾真由子さん(21)が優勝した。4年に1回開催される同コンクールは若手演奏家の登竜門として世界的に知られる。バイオリン部門で日本人が優勝した…

◆スター

一頃、テレビでは「にしきのあきら」がスターなんて敬称をつけられて、ほくそ笑んでいたけど、あんなのは、オレにいわせればスターダストだったね。ほんとのスターっていうのは、やはり、長谷川一夫、片岡千恵蔵、市川歌右衛門だろうか。いずれも小男の割に…

◆ピーカン

朝からうすら寒い日で、うすぼんやりとしながら7月がはじまった。6月14日に関東地方の梅雨入りを宣言したのは気象庁。ところが皮肉なことに、その日から1週間もピーカン続きで真夏の陽気が続いている。出鱈目な社会保険庁同様、まったく仕事もせずに、…

◆林住期

林住期という言葉を最初に聞いたのは、数年前、作家・桐島洋子が何かに書いていたのを見て知った。臨終期と音が一緒なので覚えやすかったこともある。自分たちの年代をいうのに、老境に入ったとか、高齢化社会、熟年世代、セカンドライフ、サードステージ、…

◆食べたい

胃潰瘍で入院してから2月ほどが過ぎた。旧聞に属するので恐縮だが、病院で食事が解禁になった入院後3日目の晩飯は、旨いとか、不味いとか、料理を味うなんて余裕はとてもなかった。食べられるものであればなんでもいい、たとえ、ウサギのフンでも食べてし…

◆真夏日

太陽がギンギラギンにさりげなく、照りかえる、30度を超える真夏日。広大に広がる晴海運河の岸辺にたたずむと、川面を渡る涼しい風がほほを揺らし、それほど暑さを感じない。その心地よさに誘われて、久し振りに日光浴してしまった。ここしばらく、動きを…

◆日課

朝起きると、眠気をこすりながら朝刊に目を通す。これは長年の習慣だけど、最近は朝食が終わる前に読み終わっていることのほうが多い。興味のある記事が少ないし、コラムなどにしても通り一遍の内容で、含蓄のある内容に乏しいからだ。以前は新聞をわくわく…

◆タラバガニ

ロシア農業省は先月末、密漁防止と資源保護を理由にロシア領海と大陸棚海域で水揚げされた生きたカニの輸出を禁止したと発表した。ロシアから大量のカニを輸入している日本が影響を受けることは免れない。ロシアの専門家はタラバガニの漁獲そのものの禁止の…

◆準教授

今年4月1日、学校教育法の一部が改正されたことにより、耳慣れない準教授なる言葉が新聞紙上を踊るようになった。なんじゃ?これ!エイプリルフールの産物なの?実は大学の助教授が廃止になり、代わりに用意されたポストが準教授、これまで助教授だった教…