◆台風4号

カンナ

梅雨前線が日本上空に停滞しているのに、大型の台風4号が日本に近づいてきた。この台風は沖縄方面を目指して北上し、沖縄辺りで進路を変え、日本列島に沿って九州南部へ上陸しようとしている。天気図を見ていると、台風はまず沖縄本島を襲い、順次、与論島、沖の永良部島、徳之島、奄美大島、喜界島、屋久島、種子島を席巻し、鹿児島南部を台風圏に巻き込みつつある。日曜日には関東地方を襲う勢いだが、予想通りに台風が進路を変えずにくることは、いままでにもあまり例が少なく、前評判だけで終わってしまいそうな気がしないでもない。

種子島屋久島、とから諸島などを薩南諸島といい、与論島、沖の永良部島、徳之島、奄美大島、喜界島を奄美諸島と呼ぶ。奄美諸島までが鹿児島県で、その西端にある与論島が沖縄との県境になる。鹿児島との県境になる伊平島から伊是名島粟国島久米島、沖縄島、慶良間列島沖縄諸島といい、宮古島から石垣島西表島などを経て、台湾との国境になる与那国島までを先島諸島という。天気予報などでは、これらを合わせて南西諸島と総称することが多い。

季節外れの話で恐縮だが、「春一番」も「木枯らし1号」も気象庁が決めた言葉ではないそうだ。「春一番」は、長崎県五島列島沖で、春先に南から吹く強風を指す漁師言葉から来ているという。この風は昔から漁師仲間の間で「春一番」「春一」「カラシ花落とし」と呼ばれ、恐れられてきた。 気象庁春一番の発表を行うことを決めたのは84年7月で、翌年から発表している。

一方、木枯らし1号の言葉の由来は気象庁でもよくわからないそうだ。「号」に特別な意味はなく、台風を「1号」、「2号」などと呼ぶのにならったのではないかとのことで、新聞では73年に初めて登場しているそうだ。木枯らし1号は気象庁が東京地方について、大阪管区気象台近畿地方について発表し、ほかの地方で西高東低の気圧配置のもとで、最大風速8メートル以上の北寄りの風が吹いても「木枯らし1号」の発表はない。