◆次男坊

どこかの次男坊?

不透明な事務所費用問題で逃げ回る赤城農水相とそれをかばい続ける安倍首相。2人の共通点は、兄貴が政治に興味を示さず、先代の地盤というおこぼれをちゃっかり受け継いだ「二男」ということだ。「原爆しょうがない」発言で止めた久間前防衛相も二男だった。最近顰蹙をかっている政治家は次男坊ばかりだが、これって単なる偶然か。二男的行動パターンの特徴は駆け引き上手な性分が身に着いた抜け目のなさだそうだ。間隙を突くのが得意技だから、「この程度なら平気」と失言や脱法行為に走りがちとなる。安倍首相が消えた年金問題で、民主党の菅氏を批判したのも二男らしいミス。本人は「してやったり」のつもりが責任のなすりつけに映ってしまった。

大体が小手先でごまかそうとしたり、大所高所に立って物事を考えず、目先のことばかりいじろうとするから、急所を突かれるとドギマギして返事もできなくなる。安倍内閣に限って?だが、どうして、こんなに小者ばかり集めたのだろう。赤城農水相の第一印象は、「なんだ、このこわっぱは」だった。貫禄なんてまるでないし、答弁だって官僚の書いた原稿を棒読みするだけだった。不祥事を起こした大臣の後任を、こんな若造に託してしまう安倍首相のおぞましさを痛感したね。ところがこのやっこ、姿かたちに似合わず、ねばっこくて、ああだこうだと言い訳ばっかりし、形勢が悪くなると、予定もないのに、海外へ逃亡してしまった。次男坊らしい無責任な身の処し方だったね。

江戸時代、長男といえば、むかしでいう跡取り息子、武士や商家などでは生まれたときから将来を保証されていたようなものだから、長男の甚六、放蕩息子なんて陰口をたたかれたものだった。それに引き替え、武家の次男坊は一生部屋住みに甘んじるか、どこかの婿に入り込むしか道がなかった。そういう歴史があるせいか、戦後になって家長制度が撤廃されても、その風潮は何となく残っている。長男は生来おっとりとしていて、鷹揚なのんびり屋が多いようだ。相反して、次男坊ときた日にゃ、すばしこくって図々しく、要領がよくて、妙に人なつっこい。我が家じゃそれが吉なのか凶七日なのか、二人とも典型的なメタポ症候群、強烈な食欲と運動のバランスが悪く、会う度に肥満度が増している。