2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

地震

何年ぶりかの大雪に見舞われ、その上、未だに余震が続いている中越地方は、ほんとやりきれないなあ。ところで、地震は「じしん」であって「ぢしん」ではない。国語辞典を調べると分かるが、もともと「地」という漢字の読みには「ち」と「じ」がある。 たとえ…

ふるさと

小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ 緑なす はこべは萌えず、若草も しくによしなし 千曲川 いざよふ波の 岸近き宿にのぼりつ 濁り酒 濁れる呑みて 草枕 しばし慰む。(島崎藤村 小諸川旅情の唄より) ふるさとは 遠きにありて思ふもの 異土のかたいとな…

むべなるかな

ムベという植物はアケビと対比されるつる植物。アケビは落葉し、果実は開き、山に生えるが、ムベは常緑で、果実はふつう裂けず、主に暖地の海岸林に分布する。果実は同じく食用に。暖地の造園には冬も青々と茂るムベが、おもしろい。 「むべなるかな」は宜な…

カラン

銭湯や温泉に行くと湯水を出すところに「シャワー」と「カラン」という表記がある。 最近では外国人観光客にも通じるように絵で表現しているものが多いが、カランとは蛇口のことで、オランダ語で「鶴」を意味する「クラーン(KRAAN)」に由来する。 長い管が鶴…

スプリングエフェメラル

カタクリなどの春植物のことを、「スプリングエフェメラル」(spring ephemeral)という。直訳すると「春のはかない命」ということになる。白金自然教育園では落葉樹林の枯葉に埋もれ、カタクリの花が心細げに、うつむき加減に咲き出していた。去年より半月も…

一か八か

「一か八か」の語源は幾つかあるが、カルタ賭博で使った「一か八か釈迦十か」から転化したという説が有力だ。トランプのブラックジャックと同じように、順番に3枚のカルタを引き、数字の総計の末尾が9になると最高点。手元の2枚が1と8になると、それを…

タケ

<呉竹>ハチク(淡竹)の別称で、中国南北朝時代の呉から渡来したといわれる。稈の最大直径は約10cm、高さは15mで、皮に斑点等はなく美しい。硬いうえに溝がやや深く、また細くて割れやすいので、茶筅などにも用いられる。呉竹のタケノコのことを甘…

とどむ

「雲も遏む」は歌声が優れている、「徴る」は年貢を取り立てる、「うだち」はうだつがあがらないの語源で、棟木の支えにする短い柱。「蹈鞴」は地団太踏むの意味の、たたらを踏むの語源で、大きなふいご、「鯔背」は粋で威勢のいい男衆、「楝」は栴檀の古い…

やっかみ

最近聞かなくなった「荒神様」って、実を言うと竈(かまど)の神様なんだねえ。江戸時代には「釜祓い女」たちが「お祓いはいかが」って商家を売り歩き、台所へ入って「家神祓い」(やっかみはらい)をした。金持ちしかできなかったから、羨ましいという意味…

漢字遊び

あいつは一見「きゃしゃ」に見えるけど、「いなせ」で「さっそう」としており、「うんちく」がある上に「いんぎん」だから、時としては「ひんしゅく」を買うこともあるけれど、「せんぼう」の声が高い。「あくせく」しないし、「そご」を来たすようなことや…

カワツザクラ

そろそろ、カンヒザクラの咲く頃だ。2センチほどの緋色の花が2−3ケ筒並んで下向きに開く風情は、つぼみを固く閉じて花びらを開こうとしない一徹さとともに、はじらう乙女の姿を連想する。カンヒザクラを片親とする野生の交配品種とされ、伊豆・河津町の名…

裏と表

茶道の有名な流派、表千家と裏千家。千家というのはお茶を茶道にまで高めたことで知られる千利休の家柄のこと。茶道に縁が無い人は裏というと怪しげなイメージを持ってしまうが、表とか裏とは何だろうか。これは簡単に言えば茶室の場所。利休の孫である宗旦…

キザ

姿がほっそりしていて、上品で優雅なことを意味する「華奢」って言葉があるけれど、この語源は伽羅からきていて、伽羅女というと美人を指す。いずれにせよ、伊達、風流とも似た意味を持っている。根っこが同じ風流から発生したのに、まったく正反対の意味に…

まほろば

「まほろば」は優れてよいこと、「バロック」はゆがんだ真珠、「鯛中鯛」はタイのタイと読む。「阿」はほとり、おかとも読み、「阿る」はおもねると読む、「シバリング」は医学用語、寒さで体が震えること、「とび職」は英語ではスパイダーマン、「弥と航」…

イケメン

イケメンの語源は、かっこいい、容姿の素敵なっていう意味の「いけてる」の略に、「面」あるいは「men」をつけたものといわれるが、男性のみに使われるため、「men」の方が有力である。 イケメンはイケメンでも、「逝け面」という新語がある。これは、上記の…

雪国

<雪国では都会では考えられないほど、子供たちの仕事がある。「ガンピ」(白樺の皮)1枚で火を熾せなかったらオヤジにどやされるし、朝は朝とて、登校前に玄関までの除雪が子供の仕事なんだ、ママさんダンプを使ってさ>。「ママさんダンプ」ってのは雪国…

フェルメールブルー

17世紀オランダの画家、フェルメールは生まれ育った町から生涯出ることなく、市井や庶民の姿を描写してきた。とりわけ人物像には目もさめるようなターコイズブルーを多用した。ターコイズブルーはウルトラマリンブルーともいわれ、フェルメールの絵が後世…

認知症

「痴呆(ちほう)」にかわる呼称を「認知症」とすることが決まり、厚生労働省は介護保険法など関係法令を改正する一方、来春までに行政文書などでも「認知症」への切り替えを目指す。 「痴呆」という表現には蔑視的な意味が含まれ、「何も分からず、何もでき…

惰眠

眠りを表現する言葉もたくさんあるねえ。うとうと、うつらうつら、こっくりこっくり、居眠り、舟を漕ぐ、転寝、ひと寝入り、まどろむ、寝付く、寝入る、寝込む、安眠、熟睡、空寝、眠りこける、白河夜船、午睡、惰眠を貪る、まんじりともしないなどだが、ま…

三日月

トルコの一部族だったオスマントルコは、15世紀半ばに東ローマ帝国を滅ぼしてから版図を拡大し、たびたび西ヨーロッパに侵攻した。トルコといえば、いわずとしれたトルコの軍楽隊。太鼓やシンバルに合わせ、吹奏楽器が強烈な響きでメロディーをかなえる独…