◆ローライズ・パンツ

富岡八幡宮

きのうの窓の下の続きとなるが、この辺りはかねてより都営団地のメッカだったが、点在していた倉庫跡地に民間のマンションが次々と建てられるようになった。4つの運河に囲まれた都営住宅とコリアタウンって、地味なイメージが強かった町がなんとなく華やいできた。その象徴のようなのが、新しいマンションを購入した若いカップルたちである。満を持して勤行を務めるから、必然的に子もちが多くなる。亭主どもは朝のうちに出勤してしまうから、まるで目に入らないが、10時を過ぎる頃からバギー車を押した新妻どもの出番となる。

ベビーカーを押す若妻が圧倒的に多いが、布状のだっこ紐で前抱きする「スリング」をつけ、颯爽と歩いている女性もいて、これって意外に素敵だね。定番のジーパン、帽子、ウエストポウチなど一切身につけず、キャミソールを風にそよがせ、スカートの下には短いスパッツ、派手な日傘で買い物にご出発、どういうわけか足元にはかならずミュールを履いている。こうした姿を見ると、絶滅危惧リストの動物を見たような気がして、思わずやったねって感じになる。

おんぶはまったく流行らなくなったね。おんぶは家事をする場合などでも両手が空くから便利だったし、子供は背負われると、母親の肌の暖かさを感じて安心し落ち着く。ただ、外出する時はいかにもかっこ悪いし、紐を胸の前で交差させるから、胸の形が露わになってしまうのも嫌気の原因か。ぼくらの時代、割烹着でおんぶし、寒くなると背中に綿入れをかぶせるなんて光景はザラだったけどなあ。そういえば、あの非常に便利だった割烹着、いつのまにか消えてしまったなあ。

子連れ御用達ブランドっていうのがあるのかどうかしらないけど、子連れママは、ほとんどが同じ格好をしているね。三チャン帽かキャップをかぶり、腰にはばかでっかいポーチ、細いジーンズで、かがむと尻が丸見えになるローライズパンツ、短めのテイーシャツで、一様にバギー車を押している。全体的に生活水準が高いから、それなりに身なりもきちんとしているし、美人度は間違いなくアップしている。この団地の1階に保健所があるせいか、子連れママを目にする機会が多いが、これは嬉しいことで、ましてや、かがんででもくれれば、これは絶好な高みの見物となる。