◆うつ

豊洲ららぽーと

札幌にいる次男坊からにょうぼに電話があったそうだ。用足しが終わった後、「で、トーチャンはやっぱり北海道に来るのはいやだっていってるの?景色はきれいだし、花も満開。来ちゃえば、きっと感動して駆けずり回ると思うんだけどなあ。それからさ、トーチャン、欝病にかかっているって、ホントー?」「なんで、そんなこというの」「だって、時々コジゼラを読んでいるからさあ」。欝病うんぬんはともかくとして、息子がコジゼラをたまには読んでいるんだって分かって複雑な気持ちになった。

数年前、コジゼラを書き始めたとき、長男にオレは絶対読まないよっていわれた。プライベートなことを面白おかしく書かれるのがイヤだってことだったと思う。5年前はまだブログ創成期で、今ほど人口に膾炙してなかったから、日記を公表するなんてことは、私小説を書くのと同じような印象があった。時代の先端を走る30歳半ばの長男坊でさえ、そんな認識だったから、容易ではなかった。

鬱という字をよく使うのは、この画数のやたらと多い難しい漢字が好きだということもある。齷齪、魑魅魍魎、矍鑠、顰蹙、霹靂、檸檬篳篥、韜晦、讒言、咀嚼、鴛鴦、竈、竃、鼈。このような字画の多い漢字が大好きで、閑な時はよくいじっている。こういう字を100ケぐらいプリントして持ち歩き、電車に乗った時なんか、片っ端から頭の中で書いたりしている。何回書いても、すぐ間違えるという欠点もあるが、それが、また楽しいんだなあ、これが。

ストレスの多い職場では「飲む、打つ、買う」が流行っているそうだ。昔ながらの放蕩オヤジを指すのではない。飲むは胃腸薬や胃カメラ、打つは欝病、買うは宝くじだという。よく鬱という字を使うけど、これはここでいう欝病ではなく、どちらかといえば、身体の鬱だ。っていうより、この難字はマイナス志向の時を表現するのにうってつけだからだ。元々、無神経に生まれついているから、心的ストレスというのはほとんど起こらない仕組みとなっている。

小学4〜6年生の1割以上が抑鬱傾向にあり、自殺を考えるリスクは抑鬱のない子に比べて4倍高い。抑鬱の原因は、友人関係のストレスの度合いが最も大きかった。ただ、自殺を考える傾向には友人、教師との関係、学業などが複合的に影響しているという。 また、子どもの鬱は見過ごされがちなうえ、一部の抗うつ剤は18歳未満の服用が禁じられており、治療の難しさが指摘されている。 ショッキングな記事で、ほんと、嫌な時代になったねえ。