◆揺れる

中越沖地震

ベランダでにょうぼは立って洗濯物を干しており、コチトラはかがんでゼラチャンの枯葉を取り除いていた。10時半ごろだったか、突然、軽いめまいを感じ、しばらくして再びめまいを覚えた。アッ!やばい、脳震盪をやっちまったなってとっさに思った。にょうぼは何事もなく洗濯物を干している。余計な心配をかけちゃいけないと、そっと室内に入り込んだ。

新潟県中越沖地震震源から約200キロ離れた首都圏で16日、高層ビルなどに影響を与えるゆっくりした揺れが3分以上も続いた。このため、東京都心の超高層ビルのエレベーターが緊急停止するなどの影響が出た。震源近くで主に感じる地震の揺れは、周期が1秒以下と短い。それに対し、関東で今回観測された揺れは長周期地震動と呼ばれるもので、周期が6秒と長かった。こうした揺れは04年の新潟県中越地震でも関東一帯で観測された。

まもなく分かった中越沖地震だったが、まず、脳震盪でなくてよかったという安堵感が先行した。ついで、オレの予知能力っていうか、感覚の鋭さに賞賛の目を向けたね。そして、なんだい、かみさんは、立っているのに揺れも感じないなんて、鈍感そのものだなって軽侮の目。冗談はともかくとして、お互い、危機管理能力の欠如を思い知らされたね。特に地震の揺れをめまいと勘違いしてしまう、コチトラの体力に対する自信のなさを思い知らされたね。にょうぼも、震度4を感じなかったんだから、知覚過敏とはいえないしね。

さて、今回の地震を見ていて奇異に思ったのは、まるで大寺院の甍を思わせるような立派な瓦葺き屋根を並べた木造2階建ての建物が、軒並み押しつぶされている光景だ。立派な瓦の屋根が地べたにあぐらをかいているような構図はどう見たって異様に思える。築50年を超す旧家は、重い瓦屋根で豪雪や強風など上からの重圧に耐える構造にはなっているが、耐震構造についての仕掛けがされていなかった。中越地震の教訓がちっとも生かされていなかったことになる。鼎の軽重を問われる問題だなあ。

午後一杯、NHKの報道番組を見ていたが、キャスターは変われども、画面は同じ場面を何度も見せられ、うんざりさせられた。5時以降、軟派専門の民間放送をCMの合間を見つつ見比べたけど、それぞれが意外にも意欲的な取材をしていてびっくりさせられた。7時台になって、いつものバライエテイ一辺倒になってしまったのはいつも通りだったがね。