2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

嗤う

口篇の言葉って、叱る、叫ぶ、呟く、吹く、呼ぶ、吸う、味う、呑む、呆れる、咥える、呪う、唆す、嗜む、吟ずる、嘯く、告げるなど、ほとんどが口に関する言葉だ。ところで、「笑う」は「見る、聞く、嗅ぐ、味う、触れる」の、いわゆる五感から発生する感覚…

トンブリ

枯れた枝が箒に使われる箒草(ほうきぐさ)の種が、あの畑のキャビアといわれる、プチプチとした食感が絶品であるトンブリになるとは知らなかったなあ。 朝日夕刊掲載の「花おりおり」に書いてあったんだけど、まさか、あの不細工な草の種が畑のキャビアにな…

絶滅危惧言語

「絶滅のおそれのある日本語」を書き出してみた。懐かしいなあ。 <母の口癖> 「お天道様に申し訳ない」「夜なべ」「人聞きが悪い」「行儀が悪い」「ちょっと用足ししてくる」 <あいさつ> 「お足もとの悪いところ」「お膝送り」 「お平らに」「空っ茶」「…

熟字訓

百舌鳥と書いてモズと読ませるわけだが、これってどこまでが「モ」で、どこからが「ズ」なんだろうって素朴な疑問が生じるよねえ。「紅葉」を「モミジ」と読む場合も似たような疑問だ。 実は、これらは「熟字訓」と呼ばれ、「百舌鳥」の3文字で「モズ」、「…

平成の大合併

平成の大合併で、ひらがな自治体が次々と誕生、2005年までには20市町村にも及ぶという。それ以前のひらがな自治体は11しかなかったから、一挙に増えることになる。主だったものを上げると、つがる市、にかほ市(青森)、さくら市、みかも市(栃木)…

酉の市

今年は三の酉の年なんだが、言い伝えによると寒い冬になるという。 三の酉の年は寒くて火事が多いって、おばあちゃんがよくいっていたっけ。 俗に「西の戎 東の酉」といい、関西に酉の市はないが、最近では戎でも熊手が売られるようになった。熊手を「さらい…

醍醐味

「醍醐味」って言葉があるけど、これはチーズの味を示す言葉だったようだね。 聖徳太子の大好物で、そんなところから、聖徳太子って日本人じゃなかったんじゃないか、という説さえあるくらいだ。 古代中国では牛乳を精製していく段階で五種類の味を楽しんだ…

チチンプイプイ

ガキの頃、遊んでてどっかに怪我をし、泣きながら家に帰ると、 オバアチャンが傷口にヨードチンキかアカチンを塗って、フーッと息を吐き掛けながら、 「チチンプイプイ、オンタカラ、イタイノイタイノ、トンデケー」 っていう呪文をかけてくれたっけな。 そ…

政府高官

新聞やテレビのニュースで政府首脳やら、政府高官、党幹部、消息筋など、「具体的には誰?」というような表現をよく見かける。 この曖昧模糊とした表現は一体なんだろうね。ちょっと気にはなるわいね。記者(クラブ)と政府などの関係者の間では定期的に懇親会…

メメント・モリ

年に一度のお盆のことをメメント・モリ(死を忘れるな)というそうだが、何語か知らないけど、響きのいい言葉だよねえ。 咄嗟に「乖離」って言葉が浮かんでしまったんだけど、どうしてかなあ。 祖先の霊を祀る行事を正式には精霊会(しょうりょうえ)という…

しゃく

なにげなくつけたテレビで、近々放映するという聖徳太子番組の宣伝をしていた。 ふと、彼が手にしていた長い木片は何といったかが気になりだして、調べてみると、それは「笏」(しゃく)だという。 飯田蛇笏の読みがそうだが、本来は「こつ」と呼ぶのが正解…

東京駅

東京駅の赤レンガビルは世界に誇り得る世界的文化遺産だが、一方では現役として老骨に鞭を打って頑張っている。 いかんせん駅舎の老朽化は激しく、しかも1945年の空襲によって焼失したドーム部分と本奥三階部分は、未だに復旧されていない状態である。 …

千秋楽

相撲や歌舞伎の興行で、その最終日を「千秋楽」と呼ぶねえ。 ところで、「千秋楽というのは雅楽で演奏される曲名の1つである」、って知ってた? 雅楽というのは奈良時代に中国や朝鮮から伝わったとされる音楽や舞のことをいい、宮廷音楽や寺社音楽として演…

おてんば

元気で活発な若い女性のことを「おてんば」というが、最近では男女の価値観がすっかり変わってしまい、この言葉も今の女の子にはちょっと通用しなくなっちゃったなあ。 おてんばといより「すれっからし」とか「ずうずうしい」って表現の方が適語のようで、わ…

印伝

印伝の財布は長い間愛用してきたが、手触りが抜群によく、しかも型崩れのない優れものだった。この印伝は水晶細工とともに甲州伝統の特産工芸品で、鹿のなめし革にうるしで模様を表した染め革だが、この印伝という奇妙な名前は印度伝来の羊を使用した高級品…

あめばな

雨に関する慣用句としては、狐の嫁入り、五風十雨、篠を突く、車軸を流す、恵みの雨、遣らずの雨、薬降る、乾天の慈雨などあるが、「車軸を流す」とは雨脚の太い雨が激しく降る様子をいい、「薬降る」は薬日(陰暦5月5日)に降る雨水で薬を作ると、薬効の…

あめごと

「同じ字を 雨、雨、雨と 雨で読み」、漢字の読み方の多さを皮肉った当て字漢字の傑作ともいえる川柳だが、「同じ字を アメ、サメ、ダレと グレで読み」と小粋に読み込んでいる。 小糠雨、村雨、五月雨、時雨といった具合だが、そのほかにも驟雨などのように…