2004-01-01から1年間の記事一覧

チチンプイプイ

ガキの頃、遊んでてどっかに怪我をし、泣きながら家に帰ると、 オバアチャンが傷口にヨードチンキかアカチンを塗って、フーッと息を吐き掛けながら、 「チチンプイプイ、オンタカラ、イタイノイタイノ、トンデケー」 っていう呪文をかけてくれたっけな。 そ…

政府高官

新聞やテレビのニュースで政府首脳やら、政府高官、党幹部、消息筋など、「具体的には誰?」というような表現をよく見かける。 この曖昧模糊とした表現は一体なんだろうね。ちょっと気にはなるわいね。記者(クラブ)と政府などの関係者の間では定期的に懇親会…

メメント・モリ

年に一度のお盆のことをメメント・モリ(死を忘れるな)というそうだが、何語か知らないけど、響きのいい言葉だよねえ。 咄嗟に「乖離」って言葉が浮かんでしまったんだけど、どうしてかなあ。 祖先の霊を祀る行事を正式には精霊会(しょうりょうえ)という…

しゃく

なにげなくつけたテレビで、近々放映するという聖徳太子番組の宣伝をしていた。 ふと、彼が手にしていた長い木片は何といったかが気になりだして、調べてみると、それは「笏」(しゃく)だという。 飯田蛇笏の読みがそうだが、本来は「こつ」と呼ぶのが正解…

東京駅

東京駅の赤レンガビルは世界に誇り得る世界的文化遺産だが、一方では現役として老骨に鞭を打って頑張っている。 いかんせん駅舎の老朽化は激しく、しかも1945年の空襲によって焼失したドーム部分と本奥三階部分は、未だに復旧されていない状態である。 …

千秋楽

相撲や歌舞伎の興行で、その最終日を「千秋楽」と呼ぶねえ。 ところで、「千秋楽というのは雅楽で演奏される曲名の1つである」、って知ってた? 雅楽というのは奈良時代に中国や朝鮮から伝わったとされる音楽や舞のことをいい、宮廷音楽や寺社音楽として演…

おてんば

元気で活発な若い女性のことを「おてんば」というが、最近では男女の価値観がすっかり変わってしまい、この言葉も今の女の子にはちょっと通用しなくなっちゃったなあ。 おてんばといより「すれっからし」とか「ずうずうしい」って表現の方が適語のようで、わ…

印伝

印伝の財布は長い間愛用してきたが、手触りが抜群によく、しかも型崩れのない優れものだった。この印伝は水晶細工とともに甲州伝統の特産工芸品で、鹿のなめし革にうるしで模様を表した染め革だが、この印伝という奇妙な名前は印度伝来の羊を使用した高級品…

あめばな

雨に関する慣用句としては、狐の嫁入り、五風十雨、篠を突く、車軸を流す、恵みの雨、遣らずの雨、薬降る、乾天の慈雨などあるが、「車軸を流す」とは雨脚の太い雨が激しく降る様子をいい、「薬降る」は薬日(陰暦5月5日)に降る雨水で薬を作ると、薬効の…

あめごと

「同じ字を 雨、雨、雨と 雨で読み」、漢字の読み方の多さを皮肉った当て字漢字の傑作ともいえる川柳だが、「同じ字を アメ、サメ、ダレと グレで読み」と小粋に読み込んでいる。 小糠雨、村雨、五月雨、時雨といった具合だが、そのほかにも驟雨などのように…

正露丸

いまじゃ正露丸となっているようだが、ラッパのマークでお馴染みの、このハナクソを丸めたような丸薬、初めは征露丸、つまりロシアをやっつけろなんて、勇ましい名前だったと記憶している。 日露戦争の頃、発売されたわけで、歴史の重さを感じるよな。 正露…

だっさい

ニホンカワウソは絶滅危惧品種として、特別天然記念物に指定されているレア物だが、このカワウソ、獲物を自分の前に並べておく習性がある。 この習慣を中国ではだっさい(獺祭)と呼んでいたが、これが転じていまでは集めた書物に囲まれているとことをいう。…

乙な味

「乙な味」という言葉はよく耳にするが、「甲な味」「丙な味」というのは聞いたことがないよなあ。 甲乙丙の順序からいくと、「乙な味」というのは「2番目に良い味」と解釈できそうな気もするが、乙には、邦楽で甲(甲高いの甲)に対して、一段低い音、また…

キュレーター

先日、新聞を読んでいたら、「キュレーター」なんて耳慣れない言葉の職業が目に入った。 博物館や美術館で企画・構成・運営・研究などの携わる学芸員のことをいうのだそうだ。 この職業、女子大生の憧れの職場らしいね。 学芸員という呼び名が何で悪いのか知…

及位

「南蛇井」、「厚狭」から「及位」してるなんて「大嵐」「大飯」よ。 いくら「京終」してるからって、精力を「美袋」らそうなんて「大歩危」「小歩危」も「飯井」「嘉元」にして、「沼宮内」から「三次」なさいよ。 「猿投」なことしたら「特牛」「愛子」げ…

木星

ギリシャ神話に登場する神々はローマ神話になると、ガラリと変わった名前で登場することになる。 ゼウス→ジュピター、ヘラ→ジュノー、アフロディテ→ヴィーナス、アポロン→アポロ、アテナ→ミネルヴァ、エロス→キューピット、ヘルメス→マーキュリー、ポセイド…

さざれ石

大相撲の楽日、賜杯授与の前に全員が起立して、日の丸掲揚に併せて国歌斉唱するのが慣例となっていて、その都度厳粛な気持になるのが不思議である。 「君が代は 千代に八千代にさざれ 石の巌となりて 苔の蒸すまで」。 世界の国歌の中でもこれだけ簡潔で短い…

出世魚

出世魚といえば、すぐブリが思い浮かぶが、ボラもコハダも負けていないよねえ。 ブリはワラサ、イナダ、ハマチときて、トドのつまりはブリ。コハダはシンコ、コハダ、ナガツミときて、トドのつまりはコノシロ。 ボラはオボコ、イナ、ボラ、トドときて、とど…

羅宇屋

最近、ちょっとタバコを吸おうとしても露骨に嫌な顔をされ、愛煙家にとっては「喫煙ファッショ」という受難の時代になってしまった。 ぼくらがタバコを吸い出すちょっと前までは刻みタバコ愛好家もけっこういて、羅宇屋(ラウヤまたはラオヤ)が煙管の竹を取…

かぶら

最近の男性のズボンはストレートが主流となっていて、ズボンの裾を折り返す「かぶら」付きのものは、あまり見かけなくなった。 かぶらのスナップを外して広げると、よくゴミがたまっていたり、時としては100円玉が転がり込んでいたりしたもんだった。 い…

長い

スリランカの首都は「スリジャワルダナブラコッテ」という名前でかなり長いけれど、上には上があるもんで、タイの首都「バンコック」の本当の名前は途轍もなく長い名前らしい。 話し変わって、日本で一番長い駅名はこれまで「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅…

ずいずいずっころばし

<ずいずいずっころばし ごまみそずい 茶壷に追われて とっつぴんしゃん 抜けたーら どんどこしょ……>このわらべ歌は、江戸時代の茶壷道中(行列)を歌ったものだそうで、毎年、新茶の季節になると、将軍が飲むお茶を宇治まで受け取りに行く行列が、東海道を…

牛込界隈

飯田橋の下宮比町交差点は、目白通り、外堀通り、大久保通りがここを起点に分岐路の五差路(厳密には変則六差路)で、文京区、新宿区、千代田区の分岐点でもある。 巨大歩道橋をウロチョロするだけで、寸時に三つの区を出たり入ったりできる、お楽しみ空間で…

ジーザス・クライスト

アメリカ・ブロードウエイで大ヒットしたミュージカル「ジーザス・クライスト・スーパースター」が、大音楽家、ヨハン・セバスチャン・バッハが作曲した不朽の名作、「マタイ受難曲」から翻案されたものだったなんて、ちっとも知らなかったよ。 さて、以下は…

きっちゅうじょ

恐れ入りましたを難しく表現すると、鞠躬如と書いて「きっちゅうじょ」と読ませるそうだ。 マリのように身を縮めて恐縮するってことなんか、いやあ、こんな字知らなかったなあ。 まさに畏れ入谷の鬼子母神だよなあ。 臨終といえば説明するまでもないことだが…

ゾロ

ゾロといえば、真っ先に出てくるのが「怪傑ゾロ」、タイロン・パワーの色男振りとくさい演技が印象的だった。 ゾロアスター教なんてのもあったなあ、日本語に直すと「拝火教」、フイフイ教ってのも同じだったかな。 そうそう、ゾロ品というのもあったなあ。…

よいしょ

ビックカメラ社員の商品知識には舌を巻いている。 社員教育をみっちりとやっていると見えて、どの売り場に行っても商品についての的確な説明を聞くことができる。 いまや、夫婦そろってビックカメラ有楽町店のファン、電気回りの商品なら、たとえ、電池でも…

水と油

中東危機、中国の需要拡大、石油利権をめぐる各国の政治的思惑などを含んで、日本の石油価格が9年ぶりに10円弱の値上げに踏み切り、末端価格がリッター当り120円となった。 ところで、ガソリン価格は上がったといってもリッター120円。日頃当たり前のよう…

コーカサス地方

ロシア南部のチェンチェン人による連続爆破事件の悲惨な結末には目を覆いたくなる。 この地域はカフカス地方という馴染みのない呼び名だが、われわれが知っているかっての地名はコーカサス地方だった。 ドン・コザック合唱団とか、ロマノフ王朝の騎馬隊の先…

あげまん

「あげまん」という言葉、巷の好事家が隠語として使っていた一種の放送禁止用語だった。 が、伊丹一三監督が1990年に製作発表した5作目の映画題名に使い、一躍表舞台にデビューしてしまった。 伊丹監督は社会派監督として次々と快作を発表、「お葬式」…