東京駅

東京駅の赤レンガビルは世界に誇り得る世界的文化遺産だが、一方では現役として老骨に鞭を打って頑張っている。
いかんせん駅舎の老朽化は激しく、しかも1945年の空襲によって焼失したドーム部分と本奥三階部分は、未だに復旧されていない状態である。
この歴史的建造物を修復し、レトロな面影を残しながら内部を近代的設備に改造したいという積年の希望にチエモンどもが知恵を絞って、素敵な妙案なるものを考え出したという。

それは、日本で始めての「特殊容積率適用区域制度」の適用である。
東京駅前の東京ビルは地上33階、地下4階のオフイスビルとして立て替えられるが、事業者のうち、JR東日本は東京駅赤レンガ駅舎の未使用容積を移転して参加する。
これは歴史的建造物が存在するなど個別の事情から、指定容積率をすべて利用できない場合、同制度適用区域内において、未使用の容積を移転できるってことだ。
ぶっちゃけた話、赤レンガ駅舎を取り壊せば、その跡地に地上40階の建物が建てられるはずという理屈だ。
JR東日本は、その容積分を売却した金で赤レンガ駅舎復元と駅前広場の整備に充てるって寸法だ。