あめごと

「同じ字を 雨、雨、雨と 雨で読み」、漢字の読み方の多さを皮肉った当て字漢字の傑作ともいえる川柳だが、「同じ字を アメ、サメ、ダレと グレで読み」と小粋に読み込んでいる。
小糠雨、村雨、五月雨、時雨といった具合だが、そのほかにも驟雨などのように「ウ」とも読むのもあるんだから、確かに雨の読み方は複雑多岐にわたるよなあ。
それだけじゃなく、雨冠のついた字には、やたらと難しい字が多いのも特長だ。霰、霙、雹、靄、雫、霖雨、霹靂などが好例で、以下順に、アラレ、ミゾレ、ヒョウ、モヤ、シズク、リンウ、ヘキレキと読む。

四季の雨っていえば春雨、菜種梅雨、五月雨、麦雨、梅雨、夕立、秋霖、時雨、氷雨寒九の雨などがあるけれど、雨は降り方によって色んな呼び名がある。
霧雨、小糠雨、御湿り、涙雨、俄雨、村雨、沛雨、驟雨、スコール、天気雨、天泣、長雨、霖雨、宿雨など枚挙にいとまない。
「天泣」はちょっと馴染みのない言葉だが、上空に雲がないのに降る雨をいうようだ。