おてんば

元気で活発な若い女性のことを「おてんば」というが、最近では男女の価値観がすっかり変わってしまい、この言葉も今の女の子にはちょっと通用しなくなっちゃったなあ。
おてんばといより「すれっからし」とか「ずうずうしい」って表現の方が適語のようで、わずかに、そんな女の子にあえて「お転婆」って婆の字を当てはめるのが、かえって皮肉っぽくて面白い気がする。

ところでこの「おてんば」は漢字では普通「御転婆」と書くがこれは当て字である。
江戸時代、幕府要人が使う公用の移動手段で「伝馬制度」というのがあった。
庶民が使う駄賃馬と違い、上質の餌を与えられていたため元気が良かったことから、元気のいい御伝馬が元気な女性「おてんば」になったというわけ。
しかし多くの辞書に載っているのはオランダ語に由来するもので、オランダ語で野生とか慣らしにくいという意味の「オンテムバール」という単語が変化して「おてんば」になったと言われる。
おてんばな女性は実は国際派ということになるが、ホッテントッドのほうがふさわしいんじゃあないかなんていったら、悪口になっちゃうかな。アッ、いけねー、これって若しかして差別用語かもね。

しかし婆という字、お転婆だとか猫糞だとか碌な使われ方してなくて、「なんでだ、なんでだろう」って思わず歌いたくなってしまうよ。
そういえば、猫の手もみみたいな芸「なんでだろう」で熱かった芸人「テツANDトモ」も、人柄のよさそうなのは好感持てたけど、やっぱ一発芸だけでは消えちゃいそうだなあ。