あめばな

雨に関する慣用句としては、狐の嫁入り、五風十雨、篠を突く、車軸を流す、恵みの雨、遣らずの雨、薬降る、乾天の慈雨などあるが、「車軸を流す」とは雨脚の太い雨が激しく降る様子をいい、「薬降る」は薬日(陰暦5月5日)に降る雨水で薬を作ると、薬効の優れたものができる、という故事からきた言葉である。

菜種梅雨は春未だ浅い頃、静かに降る雨をいい、卯の花腐し(うのはなくだし)は春雨と五月雨の間に降る雨をいう。
日照雨(そばえ)は天気雨のことだが、狐の嫁入りともいい、夕立は村雨やにわか雨の総称ともいえる。
五風十雨は気候が過ごしやすくて、世の中が平和であるという意味になる。
雨という言葉では、悲しむ女性が一際映えるもんだが、「雨やさめ」はひどく涙を流して泣くことをいい、「雨雫」は女性がさめざめと泣くことをいう。

雨に関することわざが意外に少ないのはちょっと物足りないが、「朝雨は女の腕まくり」は恐るるに足りないという意味で、「朝雨に傘入らず」は、「朝雨馬に鞍を置け」と同じく朝雨の直ぐ上がることを入ったものだ。
「夕立は馬の背を分ける」は夕立が馬の背の片側だけを濡らすような降り方をする、つまり局地的な降り方だっていっているのだろう。
「雨降って地固まる」はよく冗談に地を痔に置き換えて、おちゃらけに使っているけども、「櫛風沐雨」は社会に出て辛酸をなめることをいう。