だっさい

ニホンカワウソは絶滅危惧品種として、特別天然記念物に指定されているレア物だが、このカワウソ、獲物を自分の前に並べておく習性がある。
この習慣を中国ではだっさい(獺祭)と呼んでいたが、これが転じていまでは集めた書物に囲まれているとことをいう。
ナウい言葉に置き換えればコレクターってことで、正岡子規は自室を「獺祭書庫」と名付け悦にいっていたそうだ。
そういえばわがパソコンの中は大量の写真でうずまっており、これも「だっさい」といえるのかも。
整理整頓するたんび、その煩雑さに「ダサイ」「ウザッタイ」思いをさせられ、「ダンデイズム」とは一切無縁な「ダッサイ」ではある。

目下、朝日新聞夕刊に出久根達郎が「かわうその祭り」という連載小説を書いている。
興味を持って読んでいたが、あまりにもオタク的内容にあきれ果て、土橋とし子描く版画挿絵を見るだけで通り過ぎている。
こういう変質狂的小説って、夕刊の連載として果たしてふさわしいのだろうかって疑問を感じる。