コーカサス地方

ロシア南部のチェンチェン人による連続爆破事件の悲惨な結末には目を覆いたくなる。
この地域はカフカス地方という馴染みのない呼び名だが、われわれが知っているかっての地名はコーカサス地方だった。
ドン・コザック合唱団とか、ロマノフ王朝の騎馬隊の先陣を務めたコザック竜騎兵で有名である。悲劇はその勇猛果敢な国民性ゆえに迫害の歴史が繰り返されてきたことである。
隣接するグルジア出身の独裁者スターリンはイングーシ、チェチェン人のソ連辺境への強制移動が行い、空白になった土地に、大量のロシア人を入植させた。
カスピ海黒海を結ぶ戦略的重要地点だったからである。
第二次大戦後、故郷への移住は許されたが、帰るべき土地は占拠され、貧困にあえぐ大量の難民が生じていったのである。