ずいずいずっころばし

<ずいずいずっころばし ごまみそずい
茶壷に追われて とっつぴんしゃん
抜けたーら どんどこしょ……>

このわらべ歌は、江戸時代の茶壷道中(行列)を歌ったものだそうで、毎年、新茶の季節になると、将軍が飲むお茶を宇治まで受け取りに行く行列が、東海道を下ってきて、新茶を積み込んだのち、東海道、中仙道を江戸へ帰っていった。
この茶壷は、「お茶壷様」と呼ばれ、籠に乗せられ、前後左右には、馬50頭とともに役人400人が付くというご大層なもので、居合わせた大名行列よりも格が高かったっていうから、畏れ入谷の鬼子母神ときたもんだ。

「お茶壷様が来たら、戸をピシャンとしめ、ごま味噌でもなめてじっとしていよう。
お茶壷様が通りぬけたら、どんどこしょと戸を開けて外で遊ぼうよ」、って意味らしい。
庶民はこの茶壷が通るときに沿道にいてはいけないので、慌てて家に入る→「茶壷に追われて」、戸をぴしゃりと閉める→「とっぴんしゃん」、 そして、茶壷が通りすぎた後(→「抜けたら」)、「やれやれ、いったぞ」と安心して戸を開けるのが「どんどこしょ」だそうだ。