平成の大合併

平成の大合併で、ひらがな自治体が次々と誕生、2005年までには20市町村にも及ぶという。それ以前のひらがな自治体は11しかなかったから、一挙に増えることになる。主だったものを上げると、つがる市にかほ市(青森)、さくら市、みかも市(栃木)、かほく市(石川)、あわら市(福井)、ひらなみ市(岐阜)、いなべ市(三重)、さぬき市、東かがわ市(香川)、南あわじ市(兵庫)、うきは市(福岡)、東そのぎ市(長崎)となる。

ひらがな名ではないけれど、もうひとつ目立ったのは主要島嶼に見られる全島一市への方向性であろう。佐渡市(新潟)は全島、壱岐市(長崎)は4町合併、対馬市(長崎)は6町、五島市(長崎)は五島列島下五島福江島を含む1市と5町村による大型合併になる。観光立国を目指す離島に押し寄せてくる不況の風がひとしお身にしみるようである。

栃木県氏家町喜連川(きつれがわ)町は昨年末、新市名を「さくら市」に決めた。両町には桜並木があり、名所というのがその理由のようだが、ずいぶん安直なんだよなあ。住民の反発を招いたのが、岐阜県最南端、海津郡3町の「ひらなみ市」。平田、南濃、海津3町の頭文字にちなんだ造語で、03年2月の合併協で決まった。ところが「郷土のイメージを伴わない」「語呂合わせの妥協の産物だ」と、南濃、海津両町の住民が名前の見直しを求める署名を各議会に提出する騒ぎになった。現在、合併協で新市名を見直すかどうか協議中だ。