タケ

京都・嵯峨野の竹林

<呉竹>ハチク(淡竹)の別称で、中国南北朝時代の呉から渡来したといわれる。稈の最大直径は約10cm、高さは15mで、皮に斑点等はなく美しい。硬いうえに溝がやや深く、また細くて割れやすいので、茶筅などにも用いられる。呉竹のタケノコのことを甘竹といい、非常に味がよい。

<寒竹>高さは2〜3mくらいで、稈の直径は2cmたらず。名前の由来は、通常タケノコは春から初夏にかけて生えてくるが、カンチクの筍は初冬にかけて生えてくることによる。食用としても用いられる。

<黒竹>イネ科のタケ類の一種で黒の稈はタケ類のなかでも珍しい。ハチクの仲間だが、稈の色は生えたては緑色で、秋ごろからメラニン色素が増えて黒色に変わる。たわみ具合がよいので釣り竿に用いられるほか、工芸品の素材や盆栽などにも利用される。

<朱竹>朱色を用いて描かれた竹の絵のこと。竹は古くより梅、松とともにめでたい樹木とされており、朱竹はお正月や慶事の際に床の間などに飾られる。

<若竹)>その年に生え出た竹。竹の種類によって多少の遅速はあるが、真緑の稈はもとより、風にそよぐやわからな若葉の風情は日本的であり美しい。日本の竹林の50%は真竹(別名「呉竹」)が占めている。

市場に出回る竹の子は孟宗竹がほとんどだが、孟宗竹より1ケ月ほど遅れて地上に顔を出すのが淡竹(はちく)だ。下茹でが必要ないほどえぐみが少なく香りは上品、しかも根元まで柔らかい逸品だ。