◆グルメ

ニホンスイセン

グルメ(仏:Gourmet)とは食通のことをいい、人並みはずれて美食を追求する人物を示す美食家とほぼ同義で用いられることが多い。また、一般人が常食の範囲を超えレストラン巡りなど美食を追求する風潮のことをグルメブームと呼ぶ。そういった風潮の結果、グルメ雑誌やグルメ番組、料理番組等が増加し、かつての食通の役割の一部を担うフードライターや食評論家といったそれを専門とする職業も現れてきている。

テレビのグルメ番組は相変わらず人気番組となっており、テレビ各社は、これ幸いとばかり、安直な方法で、同じような番組を粗製乱造している。最近の傾向を見ると、彦麻呂や石塚のように気の利いたコメントを発せるグルメ・タレントが引っ張りだこなんで、ひな壇芸人や若手女優が起用され、当然オバカさんタレントも数多く含まれているから、見ている方もかなわない。そういっちゃ悪いけど、普段コンビニ弁当やマックなどで食いつないでいる貧乏芸人に、高級料理を食わせるという趣向も悪趣味だし、ぜいたくな料理をゴミ箱に捨てるような行為は、もったいないを絵にかいたようなものだ。

高級料理を食べさせられての感想といえば、やたらに、「うめー」、「すげー」、「やべー」の連発、「うまい」、「おいしい」という当たり前の言葉さえ出てこない。確かにうまいものを食べたとき、とっさに口に出るのは男なら「うまい」、女なら「おいしい」ぐらいしか言葉には出ないとは思う。食感から「プルプル」、「プリンプリン」、「ホクホク」、「モチモチ」、「シコシコ」、「アツアツ」、「シットリ」、「とろける」、「こくがある」、「ジューシー」なんて言葉も多いけど、とっさには出にくい表現ではある。

玄人筋で使われる言葉として、「もったり」、「まったり」、「こってり」という表現がある。「もったり」はとろみが強く、舌の上に長くとどまる味をいい、例えばゴマ豆腐、「まったり」はコクがあり、まろやかな味わい、例えば、ウニやプリン、「こってり」は油っこい、しつっこい味をいうのだそうだ。一字違うだけで、まったく意味が違ってしまう、日本語の奥の深さにはただただ感嘆するばかりだが、同時に日本語の難しさも痛感させられるね。