◆ステージ

ウメ

「早混OBOG合唱団」第8回演奏会に出かけた。厳冬を思わす寒さだったが、会場は満員の盛況、ちょっと遅れて入場したら、1階は既に満杯、2階隅の客席しか空いていなかった。すごい熱気で、これだけの観客動員できたのは、まずはおめでたい限りだ。コチトラ、合唱団出身の身ながら、コーラスにとんと興味がなく、できれば行きたくはなかったが、若しかしたら、にょうぼ最後のステージになるかもしれないという意味合いもあって、やってきた次第。

今回のステージは難曲が多かったせいか、毎晩夜遅くまで練習しているし、にょうぼなりに努力しているのは分かっていた。優れたボイストレーナーの指導のおかげで、高音もよく出るようになったし、きょうのステージでも発声の仕方と口の開け方も一段と上達して、余裕をもって歌っているように思った。この調子だと、引退するのはちょっと早すぎるかなとも感じたね。

最近の合唱曲って、不必要な高音を要求したり、リズムを頻繁に変えたり、転調したり、不協和音をやたら使ったり、変な技巧に走っている傾向がある。歌い手も大変だろうが、聞かされる方もたまったもんじゃないね。コーラスなんて、本来おおらかで豊かなハーモニーを楽しむものだと思うんだけど、違うかな。きょうのステージの印象としては、コーラス、朗読、ピアノ爆奏と、なんでもありの「ごった煮」っていった感じで、この演奏会のテーマがなんなのかが漠然としていたね。

それにしても「パブリック讃歌」の編曲はかなりムリがあったようだね。中盤からテナーの音程が下がり始め、他のパートもそれにシンクロして最後まで修正できなかった。歌い手のミスというより、あんな不協和音の多い曲を選んだほうが悪い、不協和音が不調和音になってしまった。音が濁り、本来なら明るいはずの曲調がすっかり暗い感じに化けてしまった。ジブリの数曲は、ある意味で手慣れていたが、あの妙な動きはぎごちなく、お笑いだった。藤沢たまきさんの独唱は、ちょっと気の毒だったね。あまりにハイキー過ぎて、声が伸びずにかすれてしまった。セミプロにあのような音を要求してはいけない。

メンデルスゾーン詩篇数曲は、八尋先生の手慣れた曲のせいもあって安心して聞けたね。ハーモニーも美しく、要所でよくハモっていた。ジジババの多い合唱団なんだから、それでいて確実にうまくなっているんだから、身の丈にあったアナログに徹して、この辺りで手を打った方が持ち味もよく出ると思ったね。なにはともあれ、大盛況だったのはメデタシ、メデタシ。