ちろり

kojy2004-12-23

<ちろり(銚釐)は、酒の燗をつける銅・真鍮または錫製の金属製の容器。円筒形で注ぎ口と把手がついたもので、酒を暖めるのに用いる。徳川時代以降、ちろりを用い燗をしてから、銚子に移し変えるようになった>と「灘の酒用語集」にはある。

してみると時代小説の舞台となる事が多い、江戸時代中後期に飲み屋では、客の前で使われていなかったようだが、まあこの際、細かいことは不問に帰すことにしよう。
最近のように、行き慣れた大衆酒場などでは、とてもお目にかかれない貴重な品物になってしまったようだが、ところが、どっこい生きていたんだねえ。

<新潟の燕は洋食器や鎚起(ついき)銅器で知られる職人の町。その燕の伝統産業のルーツはキセルで、がん首や吸い口を打ち出して作っていた。鎚で起こす鎚起は、1枚の金属板を金づちでたたいて立体に形成する鍛金技術で、文字通り職人のたたき上げの技で作られる><銅のチロリを手元に、酒を飲んで驚いた。早く燗がつくだけでなく、均等に熱が伝わるので、酒がまろやかで、味がひと味もふた味も違う。「うまい!」と、思わずひざを打った。強くたたきすぎてひざがジンジンしたが、のど越しはまろやかだった。酒飲みにとって、この至福の時間は何ものにも代え難い>
って、遠藤けいは「日本の名品探訪」シリーズで述べているが、よだれがたれてきそうになる。

かまいたちは漢字で書くと鎌鼬となり、何かに身体を打ち付けていないのに切り傷ができる現象をいい、昔はイタチの仕業と考えられていたことから、この名前がついたそうだ。越後七不思議の一つに数えられていて、信越地方に多い現象としても知られている。不思議なことに、季語にも取り上げられていて、身を切られるような寒さということから冬となっている。いまでいう帯状疱疹、つまりヘルペスのようなものなのかなあ。いまこれにかかっている人多いんだよなあ。
要心、用心。
(銚釐の写真は酒造「源三屋」さんのHPより拝借しました)