◆小春日和

アゼリア

2日ほど冬を思わす寒い日が続いたが、その後穏やかな日和が続いている。気象情報ではさかんに小春日和だと言及しているが、ちょっと違うようだ。薄雲が張り出し、陽の光を遮断する。つまり晴れのち曇りの状態となり、常時強い風が漂流している高層ビル街では、たちまち寒さが増殖してくる。

小春日和と信じて、やや薄着で出掛け、駅から家までの、本来は歩いて帰る近距離を慌ててバスで帰るなんてことが続いた。小春日和というのは、もう少し太陽が低くなって、昼過ぎまで家の中に陽の光が差し込んでいる状況をいうのであって、季節的には12月から1月に生じる快晴をいうんだと思うがね。

毎日新聞の記事によると、<大学生の就職難が社会問題化している。厚生労働省文部科学省が16日、正式発表した10月1日現在の内定率は57.6%(前年同月比4.9ポイント減)で、「就職氷河期」と言われた03年(60.2%)を下回り、調査を始めた96年以降最低を更新した。不況などを背景に企業が新卒採用を控え、それに伴い活動の早期化・長期化を余儀なくされる学生は疲弊。企業側は事態の改善に動き始めた>。

ところが実態はそうではないようだ。ゲンダイによると、昨年より企業側の応募件数はかなり多いという。新聞発表の数字は大企業を中心とした統計で、中小企業の求人意欲は激増している。甘っちょろい学生は、生活の安定を求めて、大企業中心に殺到する。当然就職難となる。大企業中心の視点を変えれば、成長の可能性がある中小企業がわんさかいるのに、それに目を向けない学生たちって、なにを考えているんだろう。

一方大企業は、日本人の新卒に愛想を尽かし、中国人の本社採用を推進しているという。草食男子よりも、語学堪能、意欲満々、行動力抜群の肉食系中国男子に関心を示すのは当たり前だよね。むろんエサは仕掛けられていて、現地採用現地勤務だと月給4万円なのに、本社採用だと、日本人新卒採用と同じ20万円だから、中国一流大学の学生が殺到するのは自明の理だ。ベトナムなど東南アジアや欧米人の採用も増えているようで、日本人の新卒採用は益々狭き門になる。