◆霜消し

大菊

いやー、今朝は寒かったね。厳しい残暑が執拗に続いていてうんざりしていたんだが、急に寒くなり、気がつけば今年もあと2ヶ月を切った。11月の異名である「霜月」を考えると、霜が降るくらい寒くなるのは当然だろうが、人間ってほんと勝手なもんで、こう寒いと猛暑の方がマシだと思えてくるから現金なものである。

「霜消し」という言葉がある。これは霜が降る夜の寒さを消すほど暖まるということからお酒を飲むことをいう。身体の芯から温まるような熱燗の味わいを引き立てると思えば、これからの冬の寒さも歓迎できるかもしれない。(日刊ゲンダイのコラムより)。

とにかく今年はまだ終わっていないが、両極端の気候にすごく悩まされた。気候の変り目がこれほど明確に意思表示された年はない。そういう意味でも西暦2010年という年は地球の崩壊する兆しが明確に
現れた異常な年だったといえる。さて、霜消しなんて、言葉があることすら知らなかったが、上記のような意味があったとは、相変わらず日本語は融通無碍、千変万化だねえ。

こんな面白い記事が出るのが日刊ゲンダイ。会社の帰りには必ずキオスクで購入し、貪り読んでいたが、無職になってからも、その魅力は衰えず、雨が降ろうと槍が降ろうと、夕方になるとコンビニまでわざわざ出掛け買ってくる病膏肓振り。ついには買いに行くのが面倒くさくなって、いまじゃ宅配してもらう存在となった。

世間的には色気やガセネタを大々的に報道する赤新聞という評判が定着しているようだが、実態はかなり優れものだ。政治面では徹底的に自民党政権を批判し、民社党の小沢擁護を強力に打ち出した。小沢失脚後も「なにもせんごく・アキカン政権」を究明し、小沢政権待望論をぶち上げている。

通り一遍の朝日新聞の記事とは、革命的なほど内容を異にする。著名評論家が毎日のように登場しては、現政権の欠陥を指摘する。なにも書かない、なにも追求しない朝日新聞を長年読んでいて、その余りにも保守的な論調にあきれ返っていたから、毎日新鮮な思いで読ませてもらっている。朝日も、少しでも爪の垢を煎じて飲むべしと痛感している。

幾つにも別れたコラムも朝日のように累計的、勝ち組擁護の文面は少なく、それぞれに勢いがあって、決していい子ぶるようなことがない。この年になると、さすがに売り物のお色気探訪や女の裸、官能小説、競馬などギャンブル記事は、ハナから見ないけれど、政治面以外にも、スポーツ、芸能ゴシップには興味深い記事が満載されていて興味をそそられる。だが、一番の優れものは毎号掲載される医療に関す
る記事である。非常に啓発される記事が多いのだが、それについては次号で。