◆どうでもいいこと

ヒガンバナ

この春、ベルリン・フィルコンサートマスターに抜擢された樫本大進が、里帰りして、ピアノの小菅優らとブラームスのピアノ4重奏曲を演奏した。通常室内楽なんて、まだるっこくて、タダでさえ眠くなるので、滅多に聞くことあるいは見ることがない。ただ、ベルリン・フィルコンマスが出演するという好奇心を抑えきれず見てしまった。常々思っていたことだが、カレのオーバーアクションは目立っており、室内楽だと数が少ないだけに、かなり動きが激しいのを再確認した。素人なのでよく分からないが、必要以上のオーバーアクションはいずれチェックの対象になるんじゃないか。

ピアノが加わる室内楽にしろ、ピアノ伴奏にしろ、ほぼ間違いなくピアニストの左手後方に譜めくりの人がひっそりと座り、ピアニストの眼前に広げた楽譜を食い入るように見詰め、サット立ち上がってはページをめくったりする。この譜めくりの人を正式にはどう呼ぶのかは不明だけど、とにかく楽譜を遠く離れた場所から見るのだから、楽譜を読みこなす能力とガチャ目じゃないというのが不可欠だ。この日の譜めくり人はかなりの美形だった。まだるっこい音楽を聴いているわけだから、ツイツイ目はそっちの方に行ってしまう。ほう、目がきりっとしているな、背が高いな、鼻筋が通っているな、スタイルがいいな、などと演奏ソッチノケで、興味はあらぬ方へ行ってしまっている。

普段N響を見慣れているせいか、先日行われたサイトウキネン演奏会でも、見慣れた顔が結構参加しているのに気がついた。第2バイオリン、ビオラ、チェロ、ホルン、ハープなどの主席奏者のほかにも、ビオラ、ホルン、コントラバスなどにもかなりの参加者を発見した。次にオケラを見るときのコチトラの常識は美人捜しである。不幸にして若い美人は見つからなかったが、かっては美人だったろうなあと思える演奏者を見つけては悦に入っていた。最近では、ひどいブスだなあ、なんて思える人は少なくなったのは有り難い。偶々カメラがそちらに向けられると、思わず下を向いてしまうのは、やはり正視に耐えられないからだ。