◆障害者

むくげ

透析で週3日間拘束され、その他の日を有効に使おうと思うのだが、なんとなく身体がだるくて、つい横になったりすると、もういけない。あっという間に寝付いてしまい、気がつくと2時間も寝ていたことになる。それだけ寝りゃあ十分だろうと思うが、パソコンをいじったり、本を読んだりすると、たちまち眠気に襲われて、ちょっと横になると、もういけない。あっという間に白河夜船ということになる。出掛けたい気持ちは、いつもあるんだが、眠気を優先してしまう。

透析に頼るようになって、こればかりは外せないという思いは強い。そりゃあそうだろう、これがなければ、たちまち尿毒症が急性腎不全を発症し、あの世行きが確実になるわけだし。透析を初めて半年余りになるが、未だに血管に太い針を刺すときと、終わって針を抜く瞬間は、ジッと目をつぶって見ないようにしている、というより見られれない。あんなぶっといものが、細い血管にズブっと入ることを想像するだけでも震えがくる。

だけど、日本の医療制度というものには感謝感激雨霰である。順天堂病院を退院する際、難病指定の申請をがなされ、指定通りに区役所本館に出向くと、東京都発行の身体障害者手帳を交付され、難病1級に格付けされた。あまつさえ、500円と100からなるタクシー券50枚入り2冊を渡された。来年3月で期限が切れるが、区役所に趣くと新しいタクシー券を交付されるそうだ。都バスの無料パスもいままでみたいに厄介な手続きを踏むことなく交付された。週3回の腎治療も無料、以前の処方を引き継いだ薬も無料である。

恐る恐るタクシーに乗って、タクシー券を差し出すと、満面の笑みで迎えてくれた。すっかり嬉しくなって、1700円のタクシー代に500円券4枚を差し出すと、運ちゃんにすっかり恐縮されてしまった、どちらも悪い気はしないよねえ。でも体調が徐々に回復するにつれ、できるだけ無料のバスに乗るか、歩くことにしている。いつか大雨の時、我が家への超近距離を走ってもらったが、運転手はむしろ喜んでいる風情だった。日本という国、特に財政が豊かな東京都には正に「おんぶにだっこに風車」というわけで、東京都万歳って叫びたくなるね。