◆不偏不党

秋来る

最近の世論調査の手法を見ると、あらかじめ設問をもうけ、答えを新聞社本位の意見に誘導する方式がとられている。これは三大新聞に限らず、テレビ各社とも同じだ。例えば、ある設問は疑惑のデパートといわれる小沢氏とクリーンな菅氏のどちらが首相候補として適しているかお答え下さいと聞く。昼間自宅にいるモニターは殆どが主婦か老人たち、当然菅さんという答えが導かれる。そうした質問に対する
集計が世論調査として発表され、これが世論として認知されてしまう。朝日の事前調査では菅氏73%、小沢氏27%という数字が出た。

三大新聞やテレビ各社の集めた数字も、あらかじめ示し合わせたように同じような数字が並ぶ。小沢氏を悪の権化として徹底的に痛めつけようとする意図がミエミエなんである。朝日新聞の記事や解説を読んでいると、あの精気に乏しく、目が死んでいる菅さんの異常さ、なんの根拠も示さないまま、雇用、雇用、雇用を連呼する菅さんに対する批判というのは殆どなく、党のマニュフェストに立ち戻るべきだという正論を吐く小沢さんへの批判はかまびすしい。

新聞というのは厳正中立、不偏不党、社会の木鐸といわれたのはもはや遠い昔のこと、いまや勝ち組に乗ることばかりが先行し、客観的な考え方を完全に放棄している。偏向したアジテーターの先頭で新聞各社が共闘しているんだから、ざまあないよね。テレビ各社とも有力新聞社の傘下に置かれているから、右同じ、ちっとも批判勢力が育たない。

国難とも言える日本の危機に立ち向かえるのは、周囲の顔色ばかりうかがって右往左往する菅さんじゃあ、余りにも荷が重すぎる。小沢さんの強力な政治力、実行力に期待するしかない。インターネットでの世論調査では、そうした本音が随所に現れて、圧倒的に小沢さんの支持が高まっていた。謝った世論の誘導が、この国を危機に導いている。多分、今日午後に行われる民主党首班指名では、悪魔に心を売り渡した菅さんが圧勝することになるだろう。日本の命運もまさにきょう尽き果てるってことになりそうだ。