◆ブドウ万歳

風の盆

猛暑の時こそ、ブドウを食べよう。別にどこかのCMの文句ではない。今年のブドウは本当に甘くて美味しい。眼前の皿に出されたブドウはあっという間に胃に収まってしまう。なんていう甘さだろう、しばし恍惚としてしまいそうになる。数年前の猛暑の際、収穫されたブドウが平年より1,6倍も糖度が高いことが確認されているが、今年はそれを上回る糖度が期待されている。ブドウは実をいえば健康効果も高いそうだ。夏バテからの体力回復の他、脳梗塞やガン、記憶力低下の予防にもなる。

ブドウに含まれる糖分は当然の如くブドウ糖で、体内での吸収効率がいい。いわば即効性アリのエネルギー補給によって、夏バテで低下した体力を回復させることが出来るという。ブドウのはクエン酸も含まれる。こちらは残暑の熱中症予防にも効果的だ。果肉に含まれるアミノ酸ペンタペプチドは脳機能を改善し記憶力低下などを防ぐ。猛暑の年のブドウは密度が高くアクペンタペプチドも豊富だそうで、記憶力低下に悩むジイサンバアサンにはまさに狙い所といえる。

ブドウは果肉を冷凍してから食べると、これを効率的に体内に吸収しやすくなる。ブドウの果肉には繊維が多く、これがペンタペプチドの吸収を阻害する。しかし冷凍することによって、果肉の繊維を壊すことが出来るのだ。ブドウの紫の色素にはガン予防に効果があるといわれる、ポリフェノールの一種レスベラトールが多く含まれているというのも頼もしい。ガン予防だけでなく実は血管細胞を保護し、脳梗塞心筋梗塞を予防したり。血圧を下げる役割もある。ブドウばかり食べている訳にいかないし、色んな効能をあてにすることは取り敢ず考えなくても、とにかく、今年のブドウは抜群に甘くてジューシーだ。

因みに葡萄色と書いて「えびいろ」と読み、やや紫を帯びた暗い赤色をいう。葡萄酒の色をさす英語の色名ワインレッドの色に近い。 名前の由来はエビカズラ(山葡萄)からだが、伊勢海老の甲羅の色に由来する海老色という色が別にあった。 しかし、両者の色が近いことと葡萄(えび)と海老(えび)と音が通じるため、後に混同された。この色がやや茶色がかったものを海老茶(葡萄茶、えびちゃ)といい、女学生の袴の色として流行した。