◆シネコン

スプレー菊

久し振りに映画鑑賞としゃれてきた。この猛暑の中を本当にご苦労さんといいたくなる。豊洲シネコンが出来て何年経っただろうか。以前は木場まで出掛けなきゃ見られなかったので、近場にシネコンが出来るのは大歓迎、ようしバリバリ見てやるぞって、その時思ったのだが、考えてみればあの時以来、映画は全く見ていない。近場にあるからいつでも見られるという安心感、1000円で見られる気安さが逆
に映画離れとなったのかなあ。

いずれにせよ随分ご無沙汰してきたようで、なんと4年ぶりらしい。っていうのはこのユナイテッド・シネマ豊洲がオープンしたのが2006年10月だということが分かったからである。あの時鑑賞したのは山田洋二監督作品「武士の一分」、木村拓哉檀れいが共演した。どんな役に扮しても同じ演技しかできないキムタクはともかくとして、映画初出演だった檀ふみが清純で健気な役柄を見事にこなし、話題と成った。いまでは映画、テレビ、CM出演と時代を背負う大女優に成長しているのは喜ばしい。

ちなみに、山田洋次監督が扱った藤沢周平作品の三部作目に当たる。第一作は02年製作、真田広之宮沢りえが共演した「たそがれ清兵衛」、第二作は04年製作、永瀬正敏松たか子が共演した「隠し剣 鬼の爪」だった。どちらも見ているが、やはり健気な女性を演じた女優陣が印象的だった。この二人が良すぎるため、作品へ興味よりも、関心がどうしてもそっちの方に行ってしまう。いまになって振り返ってみても、作品の内容より、女優たちの演じた健気な女ばかりが思い出される。

わざわざ見に行った映画は、アメリカのB級活劇「特攻野郎Aチーム」で、無名の俳優たちが筋立てに関係なく、勝手気ままにスクリーン狭しと暴れ回る、いかにもアメリカ映画らしい荒唐無稽さが気に入った。こういう暑さをしばしでも忘れるには、肩のこらない映画がいい。ストーリーもハチャメチャで、とにかく主役たちが引き起こす破壊活動がこれでもかこれでもかっとばかり連続する。さすがに戦車が空を飛ぶなんてシーンはしらけちゃったけどね。