◆ラニーニャ現象

早大キャンパス

今年の夏は3回にわたって猛暑のピークが到来した。7月中旬の梅雨明け直後、今月上旬と、16〜18日ごろで、17日までに最高気温が観測史上1位を記録した地点は、全国各地で計47地点に上った。東京都心では7〜8月の気温35度以上の猛暑日が9年ぶりに8日に達したほか、17日には最高気温が37.2度となり、3年ぶりに37度を超えた。

気象庁によると、日本付近を流れる偏西風が北側に蛇行し、太平洋高気圧の勢力を強めているのが記録的な猛暑の原因だ。さらに、同庁は10日、前回(2007年春〜08年春)以来約2年ぶりにラニーニャ現象が発生したとみられると宣言した。

ラニーニャ現象」とは南米ペルー沖から太平洋中央部の赤道域で海面水温がいつもの年より低くなる現象。世界的に異常気象を起こすとされる。東風がいつもの年より強くなり、ペルー沖の深海の海水が上昇し、水温が下がる。暖かい海水が西側に吹き寄せられるため、インドネシアやフィリピン付近で海水温が高くなる。その結果、平年より活発になった上昇気流が、日本の南に下降して太平洋高気圧を強めるという循環をつくる。日本では、夏から秋の初めにかけて全国的に高温になる傾向がある。一方「ラニーニャ」(女の子)とは日付変更線より東の太平洋赤道海域で、海面水温が平年より低くなる現象をいう。

お天道様というと、地球の守護神、いつも大切に崇め崇め奉ってきた。だが、この怒り狂ったような灼熱の太陽に連日接するようになると、そうした太陽信仰に似た崇高な思いも揺らいでくる。決して太陽だけのせいではなく、勝手気ままをやってきた地球の乱開発のせいだとは重々分かってはいるものの、恨みつらみも残ってしまう。いずれにせよ、ラニーニャ現象ってなんぞやをおさらいしてみたい。