甲子園から(朝日コムから)



連日、灼熱の太陽が煮えたぎっている。関東地方は2日ばかり小休止の恩恵にあずかったが、「のど元過ぎれば暑さ忘れず」の諺どうり、焼け付くような暑さがぶり返し、どうにもとまらない。昨日、夏の高校野球が終わったが、連日、地獄の釜の中のような甲子園球場で、野球関係者、観衆ともに、なんの事故もなく無事終了できたことを喜びたい。鍛えられた身体だからこそ耐えられたんだろうなあ。

興南東海大学相模は弱体投手陣が崩れて、決勝進出を果たすのは無理だろうというのが、コチトラのご宣託だったが、ものの見事に外れ、両校ともに決勝進出と相成った。でも両校の対決は待ちかねた対決でもあったので悪い気はしない。興南の島袋投手と東海大相模の一二三投手がともに3連投だったので打撃戦が予想され、そううなれば、強打の興南が有利だろうと予測していた。

一二三が相変わらず乱調だったのに比べ、島袋は投球の組み立てを変え、準決勝で狙い撃たれた直球主体を変化球主体にがらりと変え、後半は直球主体へと変化させる投法で、東海大相模を幻惑させる好投を見せた。興南の切れ目のない打線は依然好調で、一二三を完膚なきまで打ち崩した。

興南の各打者の放つ打球は、並外れて早く、平凡な2ゴロと思われるような打球があっという間に外野へと転がっていく。人並み外れてデッカイ選手なんて1人もおらず、むしろ小柄な選手たちばかり、それが、まるで火の玉のような打球を放つのだから脅威である。日頃いかに猛練習に励んできたかを想起させるものだった。

第92回全国高校野球選手権は21日、甲子園球場で決勝戦があり、春の選抜大会を制した興南(沖縄)が13−1で東海大相模(神奈川)を下し、沖縄勢として選手権大会を初制覇するとともに、史上6校目の春夏連覇を達成した。沖縄勢としては19年ぶり3度目の決勝進出で悲願の大優勝旗を手にした。