◆白いキャンバス

阿波踊り(朝日コムより)

ゆうべは暑かった。昼間は花火だ、夏祭りだとけっこう騒がしくも快い一日だったから、気付かなかったけど、そういえば長男一家の来訪で、朝から冷房をガンガンとたいていたんだった。街町全体が眠りにつくような深夜になって、ソロソロ寝に入るような時間、温度計が急上昇し30度近くとなった。久しくかかなかった汗がシ市トドに流れ始める暑さ、遂に禁断を破って、エアコンのスイッチを入れてしまったね。

透析が始まると、約3時間、自由な時間を占有することになる。目を閉じると、目の前には、広大な白いキャンバスが広がっており、なにを書こうと自由だ。真っ先に書いたことは、ああ、今晩はあれを食いたい、あしたはこれを食いたい、といった具合に、次々と浮かんでくるのは食べ物のことばかりである。やはり貧者の一灯というようにお里が知れてしまうね。元々が貧しいんだねえ。

これまで、余りうまいものを食ってこなかったのと、生来の好き嫌いの多さからだろうか。魚介類で真っ先に浮かんできたのは、論を俟たずとも、北海道のバフンウニ、これを箱一杯かっこみたい、取り立てのアワビを刺身にして食し、残りをステーキにして食べる、ケガニをムシャムシャかっくらう。そこまではスラスラと出てきた。ところが、その先が続かないのである。

そりゃ、逭森・大間のマグロや富山・氷見のブリ、下関のフク、大分・関アジなんてブランド魚は知っているけど、どうしても食したいという範疇にはちと欠けるんだなあ。フカヒレもいまいちだし、ナマコも、ウナギも、クチコもカラスミも、同じく。せっかく広いキャンバスも書けたのはたった2−3点だけ、空白ばかりが目立って、それを埋めようと考えといるうちに爆睡状態となる。今日もおそらくウニから始まってすぐに立ち往生、やはり、いつもの例にピッタンコはまってしまうんだろうなあ。