◆超高齢者

百万石祭り・北九州市(朝日新聞より)

最近のニュース報道を聞いていると、おやって思うことがある。例えば、「無縁社会」「行路死亡人」「急迫保護」など聞き慣れないことばがやたらと飛び出してくる。「無縁社会」というのはNHK報道特集番組が作った造語だが、あとの2つの言葉って、どうやらお役所言葉らしい。

行旅死亡人」(こうりょしぼうにん)とは飢え、寒さ、病気、もしくは自殺や他殺と推定される原因で、本人の氏名または本籍地・住所などが判明せず、かつ遺体の引き取り手が存在しない死者を指すもので、行き倒れている人の身分を表す法律上の呼称でもある。

「急迫保護とは」、要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、 必要な保護を行うことができる(生活保護法・第7条)。福祉事務所を設置しない町村長も、応急的処置として、必要な保護を行うものとする(生活保護法・第19条?)

全国で高齢者の所在が確認できないケースが相次いでいる問題で、自治体に住民登録などがありながら、所在が確認できていない100歳以上の高齢者は、その後さらに増えて、18の都道府県で少なくとも57人に上っている。

相次ぐ高齢者の所在不明問題では、自治体がかなり前から事実をつかみながら、住民票の訂正をしていなかったケースも相次いでいる。高齢福祉担当と、住民登録を担う部署との連携不足の事例もあった。今回確認された「不明高齢者」のうち、大半のケースは、自治体が以前から所在不明を把握しながら、住民票の修正に至っていない事例だった。どうやら日本は「長寿大国」の代わりに、「無縁社会」の看板を出す時期が来たようだ。