◆麒麟児

逭森ねぶた(朝日新聞より)

朝からギンギラギンと晴れ渡った、日本各地。きょう広島は65回目の「原爆の日」を迎える。今年の四季には原爆を投下した米国の代表として、初めてルース駐日大使が参列、核兵器保有する英仏両国代表、潘基文(パン・ギムン)・国連事務総長が初めて参列。核保有国のロシアも含め過去最多の74カ国の代表が集い、核廃絶への国際機運の高まりを象徴する式典となった。

さて話はガラリと替わって先週の話だ。日本が誇る競馬界のスターが、ついにターフに戻ってきた。3月27日のGIII毎日杯で落馬し、左鎖骨骨折などで休養していた武豊騎手(41)=栗・フリー=が、1日の小倉競馬で127日ぶりに戦列に復帰した。この日は2鞍に騎乗して6Rはコードゼットで4着、10R小倉記念スマートギアで3着。久々の白星はお預けとなったが、競馬界の“顔”の復帰は、この夏一番の盛り上がりを見せた。

競馬会に麒麟児誕生!!
なんて見い出しは20年ほど前のものだが、誰が呼んだのか、この名称、まさに武豊そのものをさす素晴らしい名文句だった。最近めっきり衰えを見せ始め、重賞レースでも、勝つのが当たり前の1番人気馬で消えてしまうことも多くなった。昨年度は地方競馬からやってきた内田博幸騎手に、長年独占してきたリーディング・ジョッキーの座も奪われた。その屈辱を挽回すべき矢先の落馬事故だっただけに、その立ち直りが大いに心配された。

なにせJRAを代表する名騎手であり、その華やかさと馬を操る技術の冴えは、まさに天下一品である。地方競馬出身者特有の力でねじふせる乗り方とは対極にある。早く立ち直って、あの華麗な騎乗を楽しみたいね。