◆気になるね

小澤征爾・朝日新聞より

同い年の英雄、小澤征爾。きのう、6ケ月ぶりに若手オケラの練習に参加したけど、15kgも痩せてしまい、食事も満足に喉を通らないという。記者会見で涙ながらに家族の協力について感謝していたが、その姿にはカリスマの面影は感じられなかった。小澤征爾が近頃病気がちで、予定されていた内外のコンサートをキャンセルしたのは知っている。食道ガンであることが判明、悪性だったため切除したということも分かっている。

さて、新聞の広告欄に、かなりデッカイ字が踊っているのを見た。「小澤征爾!生誕75周年記念ベストアルバム」新発売とあった。レコード会社の広告である。かなり弱っているのは事実だが、生誕75年記念CD・DVD発売とは、ちょっと行き過ぎているような気がする。いくら病気がちだといったって、本人はまだ生きている。まるで生き神様のような扱いである。

ましてや、同世代の人間たち、たとえば、コチトラやにょうぼにとっては、堪らない気分になるのは当然だと思う。しかも、コチトラも病み上がりの身、偉大なマエストロの扱いには同情を禁じ得なかった。折しもサザンの桑田佳祐も食道ガンを発症、活動を停止した。有名人は食道ガンになるべしといった勢いである。

それにしても75年か?長すぎたのかなあ。つまり4半世紀も生きてきたわけで、その間、日華事変、太平洋戦争、敗戦、朝鮮戦争ベトナム戦争、アフガン紛争、ベルリンの壁、バブル、911事件、イラク侵攻、リーマン・ショック、随分と戦争ばかりを見てきたようだが、対岸の花火だったから良かった。それだけを見れば、けっこう長く生きすぎたわいって気になる。