◆やったね

ハナショウブ

まさかまさかの90分だったね。ゲームが終わったのは午前6時、外はすっかり明るくなっており、久し振りの徹夜明けだったが、なんと爽やかな朝だったことだろう。寝ぼけ眼で仮眠に入ろうとしたが、やはり興奮していたようで中々寝付かれない。ゴールシーンが次々と現れては熟睡の邪魔をする。それにしても、岡田ジャパンにとっては久々の快挙となったね。チーム一丸という言葉に相応しい統制のとれた素晴らしい動きだった。

得点のすべてがペナルテイ・キックだったのが、なんとなく物足りない気がするが、これも積極的な攻撃を仕掛けた結果、相手の反則を誘発した賜物である。最初のゴールシーン、本田の放った無回転シュートにはたまげたね。まさに芸術的シュートで、高く上がったボールはゴールエリア付近でストンと落ちた。クリスチャーノ・ロナウドが得意とするボールだが、まさか日本人選手がこのような高度の技術を身につけていたとは、それだけでも、まさに感動ものだったね。意表を突いた遠藤のループ・シュートも見事だった。ゴール前で見事な弧を描いてゴールポストを揺らしたね。

イングランド・プレミアムリーグについては詳しいけど、中々点の入らないJリーグは滅多に見ることがない。だからこそいえるのかも知れないが、デンマークのエース、長身FWベントナーの動きをいかに封じるかが勝負の動向を決めると思っていた。コチトラの贔屓チーム、「アーセナル」のメンバーだけに弱点も分かっている。

ベントナーは長身にもかかわらず小回りも利く選手だが、球扱いが粗雑のため、アーセナルでは絶対的エースとして君臨できない。ロシアのアルシャビン、オランダのファンベルシーの後塵を拝し、スーパーサブ的な扱い、悪くいえば控え選手を余儀なくされている。ここをしっかりと抑えれば、必ず勝機は訪れるとは思っていたが、まさか勝ってしまうなんて、まるで夢を見ているようだった。

日本テレビ系列で25日に放送されたサッカー・ワールドカップ(W杯)の日本―デンマーク戦の視聴率は関東地区で30.5%だった。午前3時の放送開始から後半途中の午前5時までの集計をビデオリサーチが発表した。朝日コムによると、<明け方、東京・渋谷駅前のスクランブル交差点には3千人を超える若者が集った。青信号のたびに横断歩道の両端から駆け出し、見知らぬ者同士でハイタッチを交わした。「ニッポン」「ホンダ」とコールが繰り返される。「試合は終わっています。ブブゼラを吹かないでください」と警官が何度も呼びかけた>という。