◆痛いよう

卯の花

先日痛いのを我慢しすぎて、大失態を演じてしまったが、この大失態には伏線がある。まずその1だが、痛さの度合いがよく分からなかったこと。ただ、針を刺したところが異常に痛いのと平行するように、古傷の左膝がキューンとばかり骨身に染みいる痛さを訴えたことが起因となった。人間の身体ってちゃんと感覚がつながっているんだなあって、後になってつくづく述懐したもんだった。

さて、その2だが、豊洲の腎クリニックには20床ほどがあって、ほぼ満床状態。初心者であるコチトラはなんとなく周囲に気を遣っているのだが、それでも呆れてしまったのが、あるジジイ、のべつ幕なしに「痛いよう、痛いよう」の連発。毎度のことだと見えて、医師もナースも見向きもしない。コチトラも男のくせになんてだらしないんだろうと思っていた手前、痛くても男なら少々は我慢しようって思っちゃったのもいけなかった。ナースによると、あの内出血の痛さは尋常じゃない痛さだそうで、あのやせ我慢が、この見るのも無残な入れ墨状態となったんだから、どうしようもないね。

辛いのは冷房完備なこと。とにかく寒くてしょうがない。もともと我が家は年に数回ぐらいしか冷房を入れない生活、周囲を開け放しておけば、自然に風が通り抜けて快適な状態になる。そんな生活を送っているから、地下鉄に乗ってもスーパーに入っても冷房には敏感に反応する。だから、3時間も冷房の中で拘束されることは、地獄の責め苦に値する。そして、透析の日はTシャツの上に長袖を着て、さらにもう1枚重ね着し、バスタオルで肩先が冷えないように完全防御している。むろう上掛けは掛かっている。

iPADには悪戦苦闘の上、すでに100曲ほど入れるのに成功した。古いCDばかりなので、銀座の天賞堂で、ラトル指揮ベルリン・フィルブラームス交響曲全集」を買ってきた。さすがに録音が新しいせいか驚天動地のような音を出している。マーラーの5番とブルックナーの7番と9番は、けちって1000円版を買ったので、風呂場で屁を垂れてるような情けない音を出している。つまりステレオ録音になっていないのだ。やはり安物買いの銭失いってこのことか。

図書館でも数本借りてきたが、やはり廉価版ばかり。いわゆる緩い演奏ばかりといったところだが、借りたのがブルックナーの4番、8番など、人気のない曲ばかり。それでも手垢にまみれていると思い込んでいたが、清潔そのもの、3時間の時間稼ぎの役には立ってくれそうだ。