◆新宿御苑

八重桜

アイスランドの噴火も一段落のようで、ヨーロッパの各飛行場に缶詰状態になっていた旅行者も漸くそれぞれが帰国の途とについたようだ。スペースシャトル山崎直子さんも1日遅れとはなったが、7人の仲間とともに、無事地球に帰還した。そして、きょうは朝からいままでの悪天候が嘘のようにピーカン、だけどそれも束の間、明日からは再び異常気象が始まるらしい。

きのう現在の天気予報では今日から雨が降り出すとのことだったので、昨日思い切って新宿御苑へと出掛けた。昨年秋の菊花展にも行かなかったから、約1年ぶりとなわけで、行こうと決断した前の晩は興奮して眠れないほどだった。ナップザックを何度も点検する初々しさ、たかが御苑くんだりに出掛けるのにそりゃあないだろうというような異常な雰囲気だった。実を言えば、豊洲、門仲、木場、晴海の至近距離から電車に乗って外に出るのは、病院通いを除けば、ほんと久し振りだったのである。

左足脹ら脛の痛さを感じて以来、極端な外出拒否症になっていたわけで、毎日ダラダラと過ごす自堕落な生活を送っていた。しかし、サクラの季節がやってきて、ソメイヨシノはともかくとして、八重桜が咲き出すとなると、流石に血が騒ぎ出す。
初めは豊洲や晴海周辺でお茶を濁していたが、新宿御苑の夢まで見るようになり、遂に意を決して、重い腰を上げたわけである。

行って良かった。本当に良かった。あの広々とした新宿御苑に点在する各種八重桜を求め、足は自然に動く。なにせ、自分の庭みたいだったから、何処になにがあるかはそらんじている。ウコン、ジュズカケザクラ、フクロクジュ、ギョイコウ、イチハラトラノオ、メインのフゲンゾウ、イチヨウ、カンザン、ああ、来て良かった。どれもがまさに満開だった。豪華絢爛、まさにいうことなし、なんでや探れて引き籠もりなんかしてたのか、あまりのバカバカしさに、我ながら笑いが止まらなかったね。

さあ、これで少しは外出恐怖症も駆逐できただろう。5月は厄月ではあるが、これをなんとかクリヤーして、アジサイハナショウブの季節を心ゆくまで楽しみたいね。気がつけば、足の方も坂の上りさえ気を付ければ、文句も言わないようで、やはりそれを理由にして引き籠もりの正統さの言い訳にしていたように思えるね。