◆天候不順

イチヨウ

鳩山由紀夫首相主催の「桜を見る会」が17日、東京都内の新宿御苑で開かれ、足元に雪が残り小雨が降るなか、著名人ら約1万人が遅咲きの八重桜など約1300本を楽しんだ。首相は「雨の時に集まってくれる友こそ真の友。皆さんは鳩山政権の『雨天の友』です」とあいさつ。「桜も寒い時こそ美しさを競っている。新政権も厳しい状況だが改革を前に進めたい」とも述べ、支持率低迷に苦しむ首相が天候にひっかけて心境を語った。

気候の異変が続いている。17日朝、東京都心で降雪を記録した。雪が降った日としては1969年に並ぶ41年ぶりの遅さとなった。強い寒気を伴った低気圧が通過した影響で、関東甲信地方では、山沿いや内陸部を中心に広い範囲で季節外れの雪となった。横浜市前橋市宇都宮市でも雪が降った。イヤア、それにしてももの凄い寒さだった。超高層ビルの建ち並ぶ豊洲地区は強烈な風が吹き荒れ、日陰に入ると、まるで真冬のような寒さになる。バスを待つ列の中で、余りの寒さに歯がガチガチと音をたてて鳴ってしまう有様で、恥も外聞もありゃしない。

そんな寒さにもめげず、春を彩るサトザクラは見事に開花していた。道行く人は寒さ故か、上を見て歩く人は少なく、足早に去っていくが、頭上ではサクラの大輪が見事に開いていた。まず白いサクラ「イチヨウ」だが、いまがまさに峻、白い花がこれでもかとばかり重なり合って咲く様は、まさに豪華絢爛である。ピンク・サクラの代表格である「フゲンゾウ」は花心がやや赤味を増しつつあり、間もなく最盛期となる。赤いサクラ「カンザン」はのんびりと陣容を立て直しつつあり、間もなくあの大輪の見事な花を咲かせてくれるだろう。

サクラばかりではない。地上には、色とりどりの鮮やかなツツジの群れ、ライラックの紫の花、真っ白なユキヤナギエニシダコデマリヒメリンゴ、黄色いレンギョウと、淡い緑のオオデマリなどが妍を競うように咲き誇っている。1年で最も華やかなこの時期を、人間のエゴの産物である気候変動なんかに台無しにされたくはないね。さいわい、きょうは朝からいい天気、しばらく続いて欲しいものだ。