◆偏差値

オオイヌノフグリ

「エッ!?そんな大学あったっけ」。文科省が実施した国立大学初めての「格付け」にはビックリさせられた。日本有数のエリートが集まる東京大学の6位、京都大学の10位を差し置いてトップを飾ったのは、奈良・生駒にある「奈良先端科学技術大学院大学」だった。全くおなじみのないこの大学が91点満点評価で70,00を獲得、2位の滋賀医科大3,75)以下を大きく引き離し、全86大学中1位になったのだ。それにしても、一体どんな大学なのか興味がある。

「1991年に設立されたばかりの新しい国立大学で、情報化学研究科、バイオサイエンス研究科、物質創成化学研究科に1000人余りの学生が在籍している。といっても、大学院大学なので、修士課程や博士課程の院生ばかり。教員は学部生の卒論などを見なくてもいい分、研究のしやすい環境と言える。規模も大きくないから、217名の教員1人当りの研究費は年間734万円と、全国2位にランクされている。産官学の連携に力を入れていることもプラス材料となっている」。この評価によって新年度交付金の配分も変わる。因みに最下位の弘前大学(35,39)はマイナス700万円。国立大学もうかうかしてられないことになる。

ところで、コチトラが大学受験した頃って、やはり偏差値なるものはあったんだろうか。あったとしても、そんなに過大に評価されていなかったような気がする。もっとも中学から私立に入ってしまったから、偏差値なんて縁がなかったのかもね。

さて、親子を悩ませている一流大学の偏差値だが、72,5は慶応の医学部・経済・法科、70,0が早稲田の政経、社学、法科、順天堂、慈恵医大の医学部、67,5が慶応・早稲田の文学部・先進理工、中央の法科、国際基督の教養、昭和大学の医学部、自治医大の医学部、65,0が慶応の理工、早稲田の文化構想・国際教養、立教の異文化コミ、上智の経済と続く。

東大や早慶と言った超難関校の位置づけは変わらないが、新しい大学や学部が増え、大きな地殻変動が起きている。たとえば、早稲田の社会科学部、昼夜開講制だった頃は、他学部と比べて一段下と見られ、入りやすい学科といわれていたが、69年に昼間部に完全移行した途端、人気を集め、偏差値も大幅にアップしてしまった。20年前は偏差値60で、立命館経済や学習院法学部と同レベルだったが、今や慶応文学部や上智法科を凌駕し、早大政経と肩を並べている。

早稲田は07年に第一・第二文学部を「文学部」「文化構想学部」に再編、理工学部も「基幹理工学部」「創造理工学部」「先進理工学部」にわかれた。07年に新設された学部はまだ卒業生を出していないため、まだ未知数だが、早稲田のブランド力によって人気も高く、偏差値も高い難関ではあるが、早稲田と慶応の同じ学部に受かった場合、慶応を選ぶ学生の割合が圧倒的に多いのも事実のようだ。