◆やるじゃない

晴海

日一日と春めいてくる。心ならずも、比較的というより圧倒的に引きこもりの生活を送ってしまった。そんな毎日だったが、嬉しいことが二つほどあった。4年目になるシクラメンが今年もまた大量の花を咲かせている。シーズンが終わっても、独特の葉が青々としているのを知り、夏場は日陰に置くなどして養生した結果だとすれば、こんな嬉しいことはない。人間なんて愚かな者で、そうなったらなったで、やたらとかまいたくなり、毎日のように手入れにいそしんでいる。

もう既に家に来て10年近くになるか、茶の間に置かれてきて、たいした手入れもされずにほったらかし状態だったスパティフィルムに、な、な、なんと花が咲いた。それも花茎が勢いよく、ドンドンと伸びて、それも3本、まだ増えそうな気配である。これまた嬉しい出来事だね。一陽来復というけど、心身ともに活気づいてくるね。遅まきながら、水を切らさないように、肥料を定期的に施すなんて、滅多にやらない善行に励んでいる。

しばらく外へ出なかったから、バスの窓から見える風景も随分変わって見えた。途中の小公園や街路樹の木々がすっかり芽吹いている。木場公園ではハクモクレンが満開だった。近づくと、「毎年熱心にオレを撮ってくれる人が、今年は来ないから、ハラハラしながら待っていたよ。満開に間に合って良かった」って、声ををかけてくれた。たわわに枝を膨らませたギンヨウアカシアが重そうに風に揺れていた。サンシュやヒュウガミズキもいまが盛り、ユキヤナギレンギョウも花を付け始めている。いよいよ春爛漫となってきたなあ。元気出さなくちゃね。