◆雑餉隈

豊洲運河

福岡県に雑餉隈という地名がある。「ざっしょのくま」って読むんだが、流石ニッポンは狭いようで広いねえ。各地になんでこんな読み方をするの、なんでこんな字を当てるの、なんて思ってしまうような奇妙奇天烈な地名とか駅名がある。まずは次のまっことくだらない散文を読んで頂きたい。この稚拙な文章の中に、数多くの地名・駅名が隠されている。

「ある日、山ん中、若いおなごがしっけからおたのしげに、おおくそをたれているのを、木のはさまからつつぬけにのぞき見た。いさ、わらうないとこらえて、あのうくそうずのおわいをしっかり見届けた。なんじゃいと思う間もなくすんじゃったが、そのくさみにこっといあせりしが、あっそと見る間もなく、頭がはげておにゅうとなった」

さて、このつたない文章を地名に置き換えてみよう。
「ある日、山ん中、若いおなごが「尻毛」から「大楽毛」に「大湫」を垂れているのを、木の「邗山満」から「甘一」に「及位」見た。「石原」「笑内」とこらえて「穴太」「草水」の「大饗」を「尻労」見届けた。「南蛇井」と思う間もなく「住道矢田」が、その「朽網」に「特牛」「安栖里」しが、「朝来」と見る間もなく頭が「半家」て「遠敷」となった」

尻毛(しっけ・北海道)、大楽毛(おたのしけ・北海道)、大湫(おおくそ・岐阜)、邗山満(はさま・千葉)、甘一(つつぬけ・島根)、及位(のぞき・福島)、石原(いさ・京都)、笑内(わらうない・秋田)、穴太(あのう・三重)、草水(くそうず・新潟)、大饗(おわい・愛知)、尻労(しっかり・逭森)、南蛇井(なんじゃい・長野)、住道矢田(すんじゃった・大阪)、朽網(くさみ・福岡)、特牛(こっとい・島根)、「安栖里」(あせり・京都)、朝来(あっそ・、半家(はげ・高知)遠敷(おにゅう・福井)。