◆アイドル

青空

半年ぶりに再会した孫リコは、既に小学1年生、逞しく成長しており、その元気な姿に接して、感慨新たなものがあった。話題作りのために、お年玉で一番先になにを買いたいのって月並みの質問をした。当然、人形かゲームソフトっていうものと思っての質問だったが、答えは意外、アイドル・グループ、ジャニーズの「嵐」だけを掲載する月刊誌「嵐」の最新刊だという。なあるほど、持参してきた先月号を燃せてもらったが、まさに嵐のメンバーてんこ盛り、グラビアも多くて、読むよりも見る雑誌のようだ。

小学校1年生が嵐の櫻井翔の大ファンだというから驚いちゃったね。翔のことならなんでも知っているって自慢されちゃった。つくづく世代間ギャップを感じされられちゃったが、幸い、二宮一也が主演していたテレビドラマ「拝啓父上様」を見続けていて、嵐に関する多少の知識を持っていたから、バカにされないですんじゃった。まあ、櫻井翔が慶応卒のインテリだなんて知識もあったし、松本潤が「ごくせん」でいい絡みをしていたのも知ってはいたけどね。ただ、嵐のメンバーだったなんて知らないで見ていたけど。

2日のテレビ版がないと、にょうぼが騒いでいたが、なんのことはない、マゴリコがちゃっかり抜き取っていた。当日夜の特番「ネプリーグ」に嵐全員が出演するのだという。当然、その3時間番組をじっくり見る羽目になってしまったね。嵐っていえば、紅白歌合戦でも、自分たちのステージ以外にも、あちこちの場面で顔を出していたが、それもそのはず、昨年はシングルCD売り上げでトップスリーを独占、抱えるテレビのレギュラー番組が5人揃って出演するのが3本、櫻井翔などメンバーの一員が主演しているものが2本もあるっていう売れっ子だ。

飛び抜けたハンサムがいるわけでもない。みんなおとなしげで、いま流行の草食系男子の典型、どこにでもいそうな感じが親しみやすさを感じさせる。逆にいえば、みんな同じように見えて、いわゆる個性といったものが感じられない。二十歳そこそこのジャリタレと思っていたが、平均年齢は27歳だという。スターダムにのし上がるまで10年近い雌伏の時期を要しているのだ。

振り返って考えてみる。コチトラが小学校1年生の時って、どうだったろうか。アイドルなんてとんでもない、夜は空襲を告げるサイレンの下で逃げ回っていたし、そうじゃないときは、空腹で貧じい思いにさいなまれていた。ムスコ達のときはどうだったんだろう。うろ覚えだが、多分「ドリフの全員集合」が最盛期の頃だったんじゃないだろうか。だけど、お笑い芸人に憧れるとか、芸能人をアイドル視するなんて時代でもなかった。ヒーローは、やはりタイガーマスクであり、ウルトラマンだった。