◆たこ足配線

枝川

今年の春先だったか、目黒区のマンションで5階の1室が全焼し、2人が死亡した火災で、無人だった寝室のコンセント付近の燃え方が最も激しかったことが、警視庁目黒署への取材で分かった。同署は、複数の電源コードを差し込む「たこ足配線」によって漏電を起こすなどし、出火した可能性があるとみて調べを進めている。

この記事を読んで決して他人事ではない、明日は我が身かもしれないってツクヅク思い知らされたね。我が家でのたこ足配線は、それこそ無数、とりわけ机などの下に置かれた物は、配線が複雑にからみ合い、チリがつもって変色し、コンセント周りはホコリがうず高く積もっている。って書くとオーバーだが、それに近い雰囲気はあるね。掃除でもしてうっかりどれか配線を外してしまえば、どこにつないでいいか分からなくなる。

それと最近のコンセントは定格電流を持つような不揃いの物が多いから、場所を取りやすく、せっかく高価なタップを購入しても、例えば8つのスイッチを持つ物だとすれば、せいぜい機能するのは半分ぐらいしかなく、残りのコンセントは上を向いたまま、ただ単に誇り高い男として、存在感を示すだけ、まったく役に立たない代物となる。

テーブルタップやコンセントなどには、定格電流が定められている。それを考えずに次々と機器を接続した場合、テーブルタップやコンセント、配線などに定格以上の電流が流れ、発熱を起こして焼損や火災などに繋がる危険性がある。

テーブルタップの周りには、コードがスパゲッティ状に絡まった様な状態になることが多く、掃除そのものが困難になる上にコードとコードの間にホコリが絡まるなどして、さらにホコリを次々と呼んでしまう原因となる。そのホコリが原因となり漏電・火災などが発生しやすくなる。

また、コーナータップやトリプルタップ等、ケーブルがついておらず、その場でコンセントを分岐する器具を使用した場合は、さらに危険であると考えられる。なぜなら、それらのタップと各々のプラグが集まることで、その自重によってタップ全体がコンセントから抜け掛けた状態になりやすく、そこへホコリが溜まることでトラッキング現象による火災が発生しやすくなるからである。

たこ足配線はその必要がない限り、なるべく行わないことが重要である。やむを得ずたこ足配線を行う場合には、テーブルタップのコンセントに各々スイッチが付いている物を使用したり、各機器の消費電力(電流)を計算してそのテーブルタップの許容電力(電流)値を超えない範囲で使用する。また、最近のテーブルタップには消費電力(電流)を表示するものや、過電力(電流)手前で警告音を発生する器具も販売されているので、そのような器具を使用する。