◆霜月11月

変なビル

きょうから霜月11月、今年もあと2ケ月を残すだけになった。イヤでしょうがない後期高齢者へのカウントダウンも益々近づきつつある。ほんと、やんなっちゃうなあ、心身ともに衰えているのが目に見えて分かっているしなあ。霜月11月、たとえ旧暦だからといっても、この時期に東京では霜なんかにはお目にかからなくなった。地球温暖化の影響を諸に受けて、東京地方とりわけ沿岸部は近年、亜熱帯地方の様相を呈している。霜はむろんのこと、氷は張らないし、氷柱なんて見たこともない。

11月はグレゴリオ暦で年の第11の月に当たり、30日ある。日本では、旧暦11月を霜月と呼び、現在では新暦11月の別名としても用いる。「霜月」は文字通り霜が降る月の意味である。他に、「食物月(おしものづき)」の略であるとする説や、「凋む月」「末つ月」が訛ったものとする説もある。また、「神楽月)、「子月」の別名もある。

さて、話はガラリと替わる。「采配を振る」「采配を振るう」、正しいのはどちらかという、文化庁08年度「国語に関する世論調査」での問いに対して、「振る」と答えた人答えた人は28,6%、「振るう」は58,4%だった。本来の言い方とされているのは前者、つまり「振る」なのだが。ただ、この結果はある程度予測されたことだったかもしれない。例えばグーグルで「采配を振る」というキーワードで検索すると、「もしかして采配を振るう」と、本来の使い方でない方に誘導する機能があった。

しかも『采配を振るう」を認めていない辞書も少なくない。例えば、「明鏡国語辞典」では<近年「采配を振るう」が増えたが、俗用」と断じているのだ。「采配」とは元々、戦場で指揮官が持った房のついた棒のこと、敵に対する攻撃を命令する際に振るものだ。だから、応援ではフレーフレーという、いや、これは冗談、冗談。「采配を振る」のが正しいのは極知しているが、我が家の家計では、にょうぼが当然のように「采配を振るっている」。

「立て板に水」という喩えがある。スラスラと話すことをいうが、その反対である要領を得ないまま、ダラダラとしゃべる様子を「横板に雨垂れ」っていう。あまり聞かない言葉だが、木目に逆らった横板の上では、雨垂れも滑らかに滑らないということのようである。よく聞かされるおばあさんの回顧談ともなると、繰り返しの連続、こういうのって、まさに「横板に雨垂れ」って感じなのかもね。