◆階段

新お茶の水

我が家は4階にあるが、いまでも当たり前のように外階段を上っている。頭ん中にはエレベーターに乗ろうって気は起きてこない。さすがに4階にたどり着くと、息切れがして一息入れたくはなるけどね。ま、これは例外として、やはり年のせいだろうなあ、外へ出た時、とりわけ駅の階段を上るのがしんどくなった。古い設備のまんまの山手線や私鉄、特に都営地下鉄は深いとこを走っているから階段も多い。

都営三田線白山駅、ここの階段を上るのがしんどい。小石川植物園にあまり行かなくなったのも、ここの階段と小石川の坂の上り下りがきついからである。駅の出口の階段をクリアーすると、まず「蓮花寺坂」を上ることになる。この坂、一見するとなだらかそうに見えるが、どうしてどうして、だらだら坂が長々と続き、体力を消耗する。続く「御殿坂」は急な坂道だけど、下りだからどうってことはないが、帰路はこれが地獄の一丁目と化す。実際はそれほどオーバーではないにしても、坂の多い街はやはり敬遠したくなるもんね。

やはり坂の多い谷中、根津、千駄木は好きな町ながら、何となく足が遠のいてしまうし、小石川植物園にしても、行けば来てよかったと思えるホームグランドでありながら、ついついご無沙汰してしまうのである。先日にょうぼと出かけた、地下鉄月島駅出口の階段もきつかった。にょうぼは逆に階段を上るのは平気だが、降りるときは手すりにつかまって、ソロリソロリと降りてくる。つまずいて何回か転んだことがあるからだ。コチトラ降りる方は大丈夫だが、最近は用心して、両手をポケットに入れる習慣や駆け降りるなんてバカなことはしなくなった。

気持は若いつもりでも、鏡を見れば、おい、これがオレの顔かって、自分でもびっくりするくらいっジジー顔だし、おっかない顔になっている。だけど、不思議だねえ。外で写真を撮っていると、どういうわけか、誰か(っていうより圧倒的の多いのが図々しいオバチャン)が近づいてきて、シャッターを押してくれって頼まれる。それが当たり前のような顔で来るから、必ずお断りすることにしている。断るときはこの顔が有利になるのは当然として、なぜ頼まれるんだろう。花を撮っているときに表情が無心だからだろうか。そうだとすれば、つまり、好ましい顔に見られてるんなら、これからは恐縮しながら頼まれたら撮ってやろうかな。