◆豊洲運河

豊洲運河

陸上の第12回世界選手権第6日は20日、当地の五輪スタジアムであり、男子200メートル決勝で、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が19秒19の世界新記録を樹立して初優勝した。従来の記録は、自身が昨夏の北京五輪でマークした19秒30で、向かい風0.3メートルという条件の中、これを一気に0秒11更新した。ボルトは100メートルでも9秒58の世界新で優勝しており、男子400メートルリレーと合わせ、北京五輪に続く3冠を獲得した。

ボルトの活躍や、女子100m優勝、女子200m2位など、北京五輪以降、ジャマイカ男女短距離陣におけるジャマイカの存在は米国をしのぐ勢いとなっている。だけど、この国が急に強くなったわけではない。ジャマイカは極貧国の一つだったから、ろくな競技施設もなく、これまでの有力選手はよりよき環境を求め、アメリカやカナダに留学、国籍を取得し、それぞれの国の代表選手として活躍していたのである。

ボルトなどの出現で、国力が豊富になり、競技施設なども充実し、有望選手を続々と輩出し始めたのである。ところが皮肉だよなあ、各種目3位までしか国の代表選手になれないため、ボーダーライン上の選手は、欧米諸国に招かれると、移籍するなどの事態が発生している。

これは長距離王国ケニアにもいえることで、高額で招聘する中東カタールバーレーンへ移籍したり、ノルウエー、スエーデン、ベルギー諸国へ移住したりしている。北京五輪を見て、なんで中東や欧州にケニア人と同じような頭の形をした選手がいるんだろうと思ったんだが、実力伯仲ながら、ケニアの本選から外れた選手を、好待遇でつり上げたらしい。

そいえば、日本でも、箱根駅伝高校駅伝などでケニア人留学生が大活躍するシーンを何度も見せられたが、長い滞在で日本語も話す彼らを欧米や中東諸国のように、日本代表として起用するべき時期が来ている。伝統あるマラソンでは抵抗があるかもしれないが、ただ、参加するだけの男女3000m障害、5000m、10,000mなどの長距離レースでは、国籍を与えて参加させてもいい。国技である相撲でさえも、外国勢の跳梁を許している日本だからこそ、できるんじゃあないかな。

一つも金メダルを取れなかった日本柔道、ここまで弱体化しているのは、指導者の責任でもある。本家などというくだらない面子を捨て、欧州柔道の専門家をスカウトしたり、外国人選手の積極的導入を図るなど、抜本的改革を図るべきだ。何故なら、日本の選手が弱くなった理由は、いわゆる根性とか魂の抜けた選手が多いからである。金にもならない辛い練習を、一生懸命するのがバカらしいからだ。これは日本人全体に見られる平和ボケの兆候で、安楽を覚えちゃった心の再生は難しいからである。