◆煙が目にしみる

秋葉原駅

朝晩めっきり涼しくなってきた。ぎらついていたお天道様も、その怒りを静め、和やかなほほえみさえ浮かべている。時折吹き込む爽やかな風もいつの間にか秋の風情を伴っている。蝉の声が少なくなったら、夜には虫の音も聞こえるようになってきた。このまま残暑を通り越して一挙に秋本番へと行ってしまいそうだ。季節の移り目には風邪を引きやすい。まして、インフルエンザに罹ったら目も当てられない、用心、用心。

パソコンの立ち上げに時間がかかるようになり、その間ヒマだから、窓辺で下界の様子を眺めながら一服するのがならいとなった。タバコをふかしていると、やたらと煙りが目にしみる。最近、夜更かしのせいかやたらと目が疲れる。眼科医は異常なしというが、とにかく目の芯まで痛い。安物の老眼鏡のせいだろうなんていわれているが、とにかく度が進んだのも事実だ。

しょうがないので、近所のめがねスーパーで、低価格の中近メガネを誂えた。本を読める10cmからパソコンを見る20cm、テレビを見る3mまでを包含したレンズだ。あくまで室内用だから、戸外では使いにくいだろう。都度メガネをかけ直す手間も省けて便利だと思う。まだ手元に届いてないので、その使い良さは実感してないけどね。

「スモーク・ゲッツ・イン・ユア・アイズ」を感激して聞いたのは何10年前だったろうか。「Smoke Gets In Your Eyes」(スモーク・ゲッツ・イン・ユア・アイズ)。この曲は、ジェローム・カーンの作曲、オットー・ハーバックの作詞によるもので、1933年のミュージカル「ロバータ」に使われた。ミュージカルの中でもヒットしたが、1933年の暮れにポール・ホワイトマン楽団とバニー・ベリガンのトランペットのものが、6週連続でヒット・チャートの1位を記録した。

しかし、何といってもこの曲を世界的に有名にしたのは、1958年〜59年に「プラターズ」がリヴァイヴァル・ヒットさせたことによる。もともとはミュージカルの曲が、多くのジャズ・ミュージシャンにより演奏されてきて、プラターズの大ヒットによって、この曲はポピュラー音楽としても広く知られることになった。

「恋は盲目。恋の炎が燃えさかっているときは、その煙で何も見えなくなっている。」・・・やがて恋は終わり、恋人は去っていった。涙をかくせない言い訳に「恋の炎が消えてしまった煙が目に入ってしみるのさ」と言う失恋の歌だった。