◆ゴミ回収車

アイランドポピー

定点観測の続きになるが、この時間、この道を通る車の主役はゴミ回収車である。
狭い道ながら道路に面して、2棟の都営住宅やマンションのゴミ集積所がある。回収車は大声で叫ぶ誘導員の声を便りに、車をバックで突っ込んだり、切り返したりと忙しく立ち回り、作業員が高く積まれたゴミ袋を手際よく回収していく。こうしてあつめられたゴミは江東区営の分別ゴミ集積所に集められ、ペットボトルなどはリサイクル用として細かく粒状に裁断され、メーカーなどに運送される。

4月1日より江東区のゴミ取り扱い規定が大きく変わり、住民達に対する要求が一段と細分化された。多少忘れっぽくなっている、にょうぼなどの夕方の主要行事は壁に貼ってあるゴミ分別表を穴の開くほど眺め、これから出していいゴミの準備を始めることだ。

ダレが見たって一目では判断できない細かい項目が盛り込まれている。曰く、<月曜日と木曜日:燃えるゴミ、水曜日:容器包装プラスティック(医療容器・薬の外装なども含まれる)、金曜日:資源ゴミ、土曜日:分別ゴミ(新聞・雑誌・ダンボールなど)、火曜日と日曜日:休日>というローテーションだ。

「容器プラ」つまり、プラマークのついている容器やペットボトルは容器をよく洗い、シールをはがし、キャップを取り除かなければならない。レジ袋、キャップやタマゴの容器、弁当やお総菜パック、ビン、カン、発泡スチロールは資源ゴミに分別される。また、土曜日には「不燃ゴミ」、つまりスプレー缶、使い捨てライター、ガラスや陶磁器の破片、電池などが含まれている。そういう細かい規定を守らず、ゴミ袋の中に、ちょっとでもその日の回収に含まれない物が散見されると、さっさと置いていってしまう。ゴミ回収車は一体何者なんだっていいたくなるほど、威張りくさっていて、不愉快きわまりない。

ところが家庭に、これだけ細かく要求し、面倒くさい思いをさせているのに、例えば容器プラスティック扱い量の総量は全体の40%にすぎない。その一方で、コンビニやスーパーなどから出るペットボトルなどはキャップ、シール、洗浄なしの状態で回収され、これらは殆どが中国向けの資源となる。分別ゴミよりも5倍高く売れるため、財源確保に悩む地方公共団体の大きな財源となっているからだ。なんたる矛盾、なんたるバカらしい政策なんだろう。明らかに公平じゃあないよね。