◆輻射熱

豊洲交番

関東地方は13日、太平洋高気圧に覆われて夏本番のような厳しい暑さとなった。最高気温は伊勢崎(群馬)37,2、東京都心33,6度など各地で今年一番となった。尾鷲(三重)では、全国を通じて今年最高の38を記録した。気象庁は14日、関東甲信で梅雨明けしたとみられると発表した。平年より6日、昨年より5日早かった。この日は各地で晴れ間が広がり、予想最高気温は、埼玉県熊谷市で34度、東京都内でも大手町で31度まで上がりそうだという。

外はカンカン照りなのに、家の中にいると、爽やかな風が気持ちよく通り過ぎ涼しい限りである。表の様子さえ見なければ、いまの時期が真夏日真っ盛りだとはとても思えない。 転た寝をしていて、あまりにも涼し過ぎて、鼻風邪でも引いたらどうしようと心配してしまうほどだ。

ところが、この涼しさが深夜近くになると一変する。風がピタリと止まり、ナギの状態になると、都会特有の放射熱が幅を利かせ始め、室内の温度は急上昇する。昼間地面を暖めた輻射熱とビルの壁面から放射される輻射熱がジワジワと重苦しく室内に入り込んできて、蒸し風呂状態となる。室内の温度が日中より深夜の方が高くなるという逆転現象が発生するのだ。こういう時こそ、クーラーが力を発揮するケースだろうが、ついつい冷房嫌いが頭をもたげてくる。

先日述べたように、熱中症は屋内でも発生するそうだが、調査によると、屋内発症者の1/3の人は自宅にはあるものの、殆ど使っていなかった。高齢者はクーラーが嫌いな人が多いが、出来るだけ適宜に使用したほうがいいという医師の見解である。高齢者は温度の変化を感じにくくなっているから、部屋が暑くなっているのに気付かなかったり、クーラーの使い方を忘れてしまったことも原因のようだ。

外気36℃の太陽の下にいると、吹き出るような汗と息詰まるような熱気で立ちくらみをするような思いをするが、木陰に入ると涼しく感じる。体温36,5℃とすると、外気はそれより低い温度だから、本来は涼しく感じなければならない。しかし、暑く感じるのは太陽の輻射熱が直接体に当たって熱を発しているからで、木陰に入ると木の葉が輻射熱をカットしてくれるので、涼しく感じるってことだ。つまり「暑い・寒い」と感じるのは温度ではないということらしい。

先日の記事で熱中症の応急処置として、リポビタンDを飲むといいと書いたが、あれはポカリスエットの間違いだった。訂正してお詫びする。ポカリはスポーツドリンク普及の起爆剤になった存在としても知られている。開発における商品コンセプトは「飲む点滴」で、ヒトの体液に含まれる7種類のイオンを含有する。