◆熱中症

揺れる

くれぐれも熱中症には気をつけていたつもりだが、まんまとやられてしまった。義母の49日、菩提寺で納骨式が行われ、親類縁者が見守る中で、僧侶の読経が流れる中、粛々と行われていた。折から、梅雨の合間のカンカン照り、容赦ない熱視線が立ち並んでいたコチトラの坊主頭を直射する。よもやと思ったが、たちまち、目の前が真っ白になり、納骨式が終わるまでなんとかガマンしていたが、控え室に入り机の上に突っ伏した。

冷房の心地よさ感じながらも、不快さはどんよりと残っている。汗が滝のように流れている心地がする。その時、いきなり首の後ろに冷たいタオルを差し込まれた。これが利いたなあ、ダク汗が消え去り、その心地よさがあっという間に正気を取り戻してくれたのである。こういうのって、文字通り適切な処置というんだろうね。義理の妹による迅速な応急処置だった。

また、応急措置として、両脇の下を冷やすといいとか、リポビタンDを飲むと即効的効果があるなど、後から教えてもらった。要するにみなさん危機意識に目覚めているということだ。それにひきかえ、コチトラなんかアチコチ痛んでいるのに、そういうことにはおよそ無関心、無防備だったことを改めた知らされた思いだった。

ここんところ、暑さをいやがり、外に出なかったから、太陽光線に対する適応力に欠けていたんだろう。熱中症とは皮膚血管の拡張で眩暈が起きたり、脱水で頭痛がしたり、血液の塩分濃度が下がって筋肉けいれんが起きたり、意識障害が起きたりする諸症状をいう。炎天下で強烈な日差しにさらされると発症する例が一般的である。

ところが、最近では高齢者には自宅にいながら熱中症で倒れる人が多くなったという。それも65歳以上の高齢者に多いという。屋内発症者の半分以上の人は自宅にクーラーなどの空調設備がなく、残り1/3の人は自宅にはあるものの、殆ど使っていなかった。高齢者はクーラーが嫌いな人が多いが、出来るだけ適宜に使用したほうがいいという医師の見解である。高齢者は温度の変化を感じにくくなっているから、部屋が暑くなっているのに気付かなかったり、クーラーの使い方を忘れてしまったことも原因のようだ。しかも、屋内発生者の6割は介護の必要がない健常者だった。

熱中症がチョットしたことで予防可能と医師はいう。1日1回は高温環境に身を置いて暑さに慣れ、その後は必ずクーラーなどで身体を冷やす。例えば、近くの図書館まで歩いて汗をかき、図書館でしばらく涼む。再び歩いて帰宅した後は、冷たいシャワーを浴びて体温を下げるか、クーラーのスイッチを入れる。むろんほどほどが肝要なのはいうまでもない。あまり出歩かない上に、熱帯夜が続いても、クーラーを使いたがらない、なんてへそ曲がりはここにいるぞ。刮目せよコジー